第22話 遊園地でドッキリ!乗っ取られたヒーローショー!
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長い複雑なコースを走り抜ける小型のコースターに乗ってぶっとんでいく瑠衣。見ている黒羽と赤星に手を振る。手を振り返す二人。
赤星「あーゆーの見てると、小さかった時のこと思い出しちまうぜ。可愛かったよな」
黒羽「確かに。瑠衣ちゃんは、わりに子供の頃の面影が残ってるタイプだからな」
赤星「でもさ、時々、びっくりするほど大人っぽかったりするよな」
黒羽(笑って)「旦那をからかう時なんか、特にな」
赤星(ふくれて)「うっせーや!」

黒羽「ところで、これ、さっさと行ってきな」(お化け屋敷のチケットを赤星の目の前に出す)
赤星「え”! マジ、行ってこなきゃダメかよっ」
黒羽「あたりまえだ」
赤星「い、いや、しかしさ。任務なのにリーダーの俺が遊んでちゃまずいだろ? だからさ‥‥」
黒羽「おい、赤星! お前、理絵さんの気持ちがわからんのか? お前のために、お前が弱点を克服できるように、あそこまで真剣に考えてくれた人が他にいるか?」
赤星「お、俺のため?」

黒羽「まずは目に見える作り物、怪談がだめならお化け屋敷からという、他の誰にも発想できない、あのコペルニクス的転回!」
赤星「おお、天動説、地動説!」
黒羽「話を逸らすんじゃない。あれだけ怪談好きなお嬢さんだ。さぞかしもう一回来たかったろうに、そのチャンスをあえてお前に渡した、あの優しさ!」
赤星「た、確かに‥‥」

黒羽「それをなんのかんのと無視するなんて、お前はそんな男だったのか!?」(びしっと指さす)
赤星(ガーン!として)「お、俺が間違ってた!! よし、ちゃんと取り組んでみるぜっ!」
チケットをがばっと奪い、走っていこうとする赤星。その袖を掴んで引き止める黒羽。
黒羽「あ、ちょっと待て。理絵さんが言ったように、お化け屋敷は全部作り物だぞ。お化けも全部、普通の人なんだからな。壊すなよ。殴るんじゃないぞ。わかってるな」
赤星「おう、わかった! じゃ、ちょっくら行ってくる! 作り物、作り物っと!」

走っていく赤星。帽子を被り直して溜息をつく黒羽。
黒羽「相変わらず単純だぜ‥‥。ま、がんばってくるんですな。強い子、よい子、元気な子」

向こうから手を振りながら走ってくる瑠衣
瑠衣「黒羽さーんvv」
黒羽「お楽しみでしたね、お嬢さま」
瑠衣「うん! とっても面白かった! あれ、赤星さんは?」
黒羽「例のとこ」
瑠衣「え、一人で?」
黒羽「もちろん。燃えて走ってったよ」
瑠衣「く、黒羽さん、何言ったの?」
黒羽「まあ、あのお人を乗せるほど簡単なことなんてないんでね」

===***===

以下、オズリーブスをRL、BL、YL、GL、PL
ハリケンジャーをHR、HY、HBと略す

ヒーローショー開場の裏。アクションの最期のリハーサル。ピンクの着ぐるみをきている輝とイエローの着ぐるみを着ている黄龍

演出家「君たち、どうかね?」
輝 in PL「あっついよーっ」
黄龍 in YL「同じくって感じ!」
演出家「ちょっとだから我慢してくれたまえ。本当のオズリーブスもこれだけ暑い思いをしつつ敵と戦ってくれているんだ! ああっ なんて感動なんだっ」
輝 in PL「ホンモノはぜんぜん暑くな‥‥ムグ」(後ろから黄龍に両手で口を押さえられる)
演出家「何か?」
黄龍 in YL「い、いえ、なんでも‥‥」(輝の耳元で)「おい、バカテルっ 気を付けろよっ」
輝 in PL「ごめん‥‥」

演出家「じゃあ、まずピンクちゃん。スティックをまわしてみてくれるかな」
輝 in PL「その呼び方やめてほしいなー。えっと、こんな感じ?」
輝、鮮やかにスティックを回す
演出家「おおっ す、すごいっ 君、まさかバトンでもやってたのかね?」
輝 in PL「ううんっ ただ、トン‥‥‥‥トランポリンを、ちょっと‥‥‥‥」
演出家「なるほど! それであんなに身が軽いんだな。じゃ、次、イエロー君。このフリスビーをちょうどあのポールの方に投げてみてくれるかな?」

黄龍 in YL「はいはいっと‥‥。それっ」
フリスビー、綺麗にポールを回って黄龍の手に戻ってくる。
演出家「うおおっ なんて凄いんだ君たちっ 今日はなんか凄いことがありそうな気がする!! よーし、イエローとピンクのシーンを増やそう!」(感動のポーズ)

輝 in PL「こ、この人、ちょっとヘンだよー‥‥。エイナってば、やりすぎだよっ あんまし目立つとまずいよっっ」
黄龍 in YL「やりすぎなのはオマエっしょ!」
輝 in PL「こんな動きにくい服着て、凄いことなんて、オレ、やだかんねっ」
黄龍 in YL「俺様に言うなっつーの! 元はってーば、オマエが目立ったのが‥‥」
輝 in PL「だって、あれはリーダーがっっ」

演出家「おお! そこはかとなくいい感じの君たちを見ていて、私はひらめいたぞ! そーか! イエローとピンクの恋っ イケル! 今度、絶対そーゆーホンを書いてもらおう!」
輝 in PL「何言ってるのっっっ ダメだよっ」
演出家「そうかそうか。君もピンクリーブスのファンか。うんうん。あのちょっと子供っぽい所作と、
   決意を秘めた感じのアンバランスさが、今までに無いヒロイン像で実にいいよなぁ!」

輝 in PL「ちょっとっ そーゆー問題じゃなくてっ こんなバカエイ‥‥ムグっ」
黄龍 in YL(輝の口を押さえ込んで)「いやー、なかなかいいセンスだね〜。俺様気に入ったぜ〜? だけど今回ばっかはヤメテほしいってカンジ?」
演出家「当然だ。間に合うわけがない。だが次回はぜひ見に来てくれたまえ! じゃ、今度は実際の戦闘シーンを説明しよう!」



ステージでのリハーサル。ステージトップにリーブスの5人が立っている。
RL「地球の平和と光洛園の平和は、俺達が守る!! 龍球戦隊っ!」
5人「オズリーブス!」

演出家「よーし、そこでみんな飛び降りる!」
エアマットの上に飛び降り、マットを隠している小道具を飛び越えて走り出てくる5人。
演出家「あー、ピンク! ちょっと違う! 君は女の子役なんだから、肘を身体から放さない! でもってちょっと腰をひねりめにして、こんな感じだ!」(演出家しなを作ってみせる)
黄龍 in YL(小さく)「げっ‥‥‥‥」
輝 in PL「いっつもそんなことしてな‥‥いたっ」(黄龍に殴られ、不承不承に)「こんな感じ?」
演出家「おおっ 可愛いよっ」
黄龍 in YL(マジな小声)「‥‥ホント。ホンモノより女の子っぽい‥‥‥‥イテッ」(スティックで殴られる)

演出家「そこっ ふざけない! ケガするぞ! じゃ次名乗りだ!」
5人名乗り
演出家「よーし、いいぞ。で、次、レッドとブラック、怪人の牽制に入って! イエロー、グリーン、ピンクは、戦闘員から子供達を助ける!」

黄龍 in YL(戦闘員に近づきながら)「はーい、さっさと子供たち、放せってねーっ」
演出家「イエロー!、いくらゲネでも、その気の抜ける話し方は不許可だ!」
黄龍 in YL「え? つーか、本番はアテっしょ?」
演出家「本番がアテだろうがなんだろうが、マジメにやってもらわないと困る! だいたいそんな語尾の正義の味方なんぞ、居るわけないだろうが!!」
黄龍憮然。輝くすくす笑う。
演出家「あー! ピンクっ スティックを持つ時は小指を立てるっ 何度言ったらわかるんだ!」
溜息の輝。今度は黄龍が笑いをこらえている。

===***===

休憩所で戯れている黒羽と瑠衣。黒羽がうさぎの風船を買ってきたところ。片膝をつくマネをしてうやうやしく瑠衣に差し出す。瑠衣、大喜びで両手を叩き合わせて受け取り、しみじみと見上げる。ひたすらに喋りまくる瑠衣。手すりによりかかって微笑みながら聞いている黒羽。
瑠衣「‥‥にしても‥‥赤星さん、大丈夫かなぁ」
黒羽「従業員を殴ってないといいがな」
瑠衣「黒羽さん、さっきからそればっかり」

と、向こうから走ってくる赤星。
赤星「おーい!」
瑠衣「あ、赤星さん!」
赤星「クリアしてきたぜっ」
黒羽「ほー、存外元気そうじゃないか」
瑠衣「ほんと‥‥。なんか、つまんない‥‥」
赤星「なに? なんか言ったか?」
瑠衣(慌てて手を振って)「ううんっ なんでもないっ」

赤星「俺、あーゆーの初めてだからさ、最初はちょーっとぶっとびそうになったけど、どうやってやってんのか、考え集中したら大丈夫だった! あれ、考えるヤツすげえな! 鏡の配置とか、すっごいうまく計算してあるんだぜ!」
黒羽「その調子じゃ、誰も殴らなかったし、何も壊さなかったようだな」
赤星「おうっ 理絵さんの言った通りだった! すごいぜ、理絵さん。ノーベル賞もんだっ」
黒羽(そっと)「お前さんの単細胞はギネスブックものだよ」

赤星「作り物とわかりゃぜんぜん怖くねえのな。井戸から不気味にでてこよーが、どれだけ皿を数えようが、おっけー、おっけー!」
黒羽「皿を数える‥‥?」
赤星「そうそう。なんか一枚足りねえとか言ってたぞ」
黒羽「出し物は四谷怪談だろう? 皿を数えるシーンなんて出てこないぞ?」
赤星「え、うそ‥‥。だって‥‥」

瑠衣(赤星の後からおどろおどろしく)「あなうらめしや‥‥一枚足りぬ‥‥」
赤星「わっ」
瑠衣「赤星さん‥‥。四谷怪談にお菊さんはでてこないの‥‥。それ‥‥本物よ‥‥」
赤星、目を丸くして瑠衣を見つめると、そのまま気を失って後にぶったおれる。

黒羽「おいっ 赤星!」
瑠衣「きゃーーっ 赤星さんっ」
黒羽「あーもー! どーして鈍感なのに、霊だけは見るかねっ」
瑠衣「ごめんなさーい! 冗談だったのにー!」
黒羽「え? 冗談?」
瑠衣が指さした先。お化け屋敷のポスター。上に別紙が貼ってある
<3月16日、17日、スペシャル企画!『番町皿屋敷』恐怖の大公開!!>
黒羽(呆れて‥‥)「瑠衣ちゃん‥‥」

と、赤星がいきなりむくりと起きあがる。
瑠衣「あ、起きた」
赤星「大変だ! みんなを避難させねーとっ!」
瑠衣「え‥‥? あの‥‥幽霊は‥‥」
赤星「誰か危ねえってのに、幽霊の20匹や30匹なんだってんだ! 来い、黒羽、瑠衣!」

行ってしまう赤星。唖然と見送る瑠衣。
黒羽「‥‥ほら、瑠衣ちゃん。早く止めないと大変だぜ?」
瑠衣「あーん!! 赤星さーんっ!!!」(追っかけていく瑠衣)
黒羽「‥‥‥やれやれ‥‥‥。しかしまあ、ちゃんと克服できてるじゃねえか‥‥」

===***===

遊園地俯瞰。大きな建物の屋根の中央あたりに突然現れるゴリアント。その手の上には15cmぐらいの怪人パペッティアがいる。
ゴリアント「ちっくしょーっ まさか三次元のモンスターがあんなに弱いとは思わなかったぜ! あっさり取り押さえられちまった!」
パペッティア「オヤビン、どうしましょー?」
ゴリアント「とにかく、こんな報告したら、シェロプのくそったれが何言いやがるかわかんねぇ! このまま押し切るぜぃ! わかってんな! パペっ!」
パペッティア「へーい! おいら、ちゃんとパペッターの改良しときましたぜー」
パペッティア背中の矢筒のようなところから細い針のようなものを取り出す。

ゴリアント「よーし、いい子だ――って、どーゆー改良したんだ、てめぇ?」
パペッティア「えーと、この前使ったのは、単に暴れるだけー。で、こっちは、アモクのアニキの毒を改良して、限界パワー引き出すようにしたよー。」
ゴリアント「おー、すげぇじゃねぇか! 成功したら思いっきりアモクのヤローも浮かばれるぜぇ! で、パペッターは何本あんだ!?」
パペッティア「6本だけど、今回はおいらも直に一匹コントロールするよ」
ゴリアント「よーしよし。モンスターは2匹。1匹はお前。1匹はパペッターでコントロール。残りの4本は適当なやつにぶちこめぇ!」
パペッティア「‥‥‥‥オヤビン‥‥残りは5本でしょー?‥‥」
ゴリアント「4本でも5本でもどーでもいいっ! とにかくぶちこみやがれっ!」

パペッティア「やだよぉー。のっぺりしたカッコ悪いやつには打ち込みたくないよー」
ゴリアント「ばっかやろーっ、この世界にはのっぺりしたヤツらしか、いねぇだろがっ?  お、そーいや、モンスターの手下っぽいヤツがいたなっ(注:マゲワッパ)あれならどーだ!?」
パペッティア「頭にフサフサ、なーんか生えてんのが、ちょー気持ち悪いよー」
ゴリアント「しょーがねぇな。じゃ、アセロポッド使え!」
パペッティア、ゴリアントの顔の前に飛び上がる
パペッティア「じゃ、オヤビン、一番強そうなの選んできましょうよー」
ゴリアント、パペッティアを掴むようにしてそのまま消える。


===***===

ずっと上空から俯瞰。遊園地中のあちこちを調べて回る3人の情景。赤星、ヒーローショー会場の周囲を調べている。黒羽、公園事務所で探偵の身分証明を使って聞き込み。瑠衣、観覧車から高性能の望遠鏡で下の情景を見ている。

ヒーロー会場裏。5人。ベンチに座ってスポーツドリンクを飲んでいる黄龍と輝。頭部をとり、着ぐるみの上半身を腰まで脱いだ状態。

輝「あっついよーっ」
黄龍「同じくーっ」
瑠衣(手で二人をぱたぱた扇ぐ。役には立ってないが)「大丈夫? 二人とも?」
赤星「で、どうなんだ、中の様子は?」
黄龍「今んトコ、怪しそーなヤツはいねーぜ?。ま、あのおっさんはちょっと変わりもんだけど〜。ただなー。気になんのは、会場の構造。さっき入れ替えの時、舞台から見たんだけどさ、中でパニックが起ったら、マジやばそうだぜ〜? 階段登らないと外に出られないっぽいし」
赤星「ああ。俺も気になってる。非常口が少ねーんだよな。子供が多いからよけいマズイぜ」

黒羽「園全体の入場者もかなりの人数らしい。ベースでの走査の結果はどうなんだ?」
赤星「サルファの報告じゃ、例の電磁波は検出できてねえ。ポッドも入り込んでねえみたいだな」
黒羽「まあ、ヤツらの狙いがオレ達だけなら、まだいいんだけどな」
瑠衣「レッドとかに入ってる人たちって、どんな人たちなの?」
輝「やっぱ、ちゃんとスタントさんだから、体は鍛えてるよっ エイナより、いいんじゃない?」

黄龍「テル〜、どーゆー意味だぁ〜?」
(へへっと笑ってごまかしてから)「でも、リーブスーツって、ほんとに凄いんだねっ。オレ、感動しちゃった! 今着てるこれ、ほんとに動きにくいんだよー!」
黄龍「科学の粋と着ぐるみを一緒にすんなってーのっ このバカテルっ」
黒羽「そろそろ開場時間だな。とにかく昨日も突然暴れ出したそうだから油断するなよ」
赤星「俺たちも最前列にいるし、ちょっとでもヤバイって感じたら緊急コール出すんだぜ」

輝「うん!」(みんなの前に、本物と偽物のリーブレスを並べてみせる)「でも、オレとエイナのだけ、リーブレスがホンモノなんて、だーれも思わないよね」
黒羽「ほぉ‥‥。大きさも形も、うまく似せてあるんだな」
瑠衣(くすくす笑って)「間違えないでね、二人とも」
(同時に)黄龍「テルじゃあるまいし!」輝「エイナじゃあるまいしっ」

===***===

ショー開場。整理番号をチェックして人々が入場していく。赤星、黒羽、瑠衣最前列に。と、後ろから赤星の肩をぽんと叩く女性。

赤星「いっ ね、義姉さん!?」
茜「さっすが。いい席とれたんだ。輝くんも、うまくバイトで入れたみたいね」
赤星「な、なんで、そんなこと?」(得意そうにVサインを出す茜)
黒羽「まさか、坊やのことあの連中に教えたのは‥‥?」
茜「あったりー! 昨日の件で、ピンクのスーツアクターがケガしたって聞いてたから。竜くん達がちょうど目立つようなアクロバットやってくれたから、やりやすかったわ」

赤星(はっとして)「た、竜樹は‥‥?」
茜「竜水さんが竜太のジャマになるから置いていけって」
赤星「‥‥‥‥兄貴ってば‥‥。助かるんだか助かんねーんだか、わかんねーよ‥‥。なんで義姉さんも引き止めてくれねーんだよ?」
茜「こんな面白そうな展開、見逃せるワケないでしょ? 止めてもムダだもーん」
頭をかかえる赤星、鍔を押し下げる黒羽、眼を丸くする瑠衣。


ショー開始。いきなり爆発から始まる。その中でハリケンジャーの3人がマゲワッパを次々に倒していく。
瑠衣(目の前の爆発に驚く)「うそでしょーっ」
赤星「すっげー! こんなことまでやんのかよ?」
黒羽「これじゃ、マジで何かあってもわからんな」
瑠衣「で、でも茜さん、戦隊ヒーローって、普通5人じゃないの?」
茜「ハリケンジャーは3人なのよ。でも、そのうち5人になるみたいよ」

黒羽「ライブマン・パターン‥‥。ここまでは色の布陣も同じだが、あとがどうくるか」
茜「その通りっ さすが黒羽さん!」
赤星「お、お前、なんでそんなこと覚えてんの?」
黒羽(ちっちっちっと指を振って)「ヒーローのことなら任せておくんだな」
茜「黒羽さんがいるんじゃ、あたしも日本じゃ二番目ね」
黒羽「いえいえ、今回だけは、お譲りしましょう、茜さん」
茜「やった!」


ステージでは怒り狂っているジャカンジャの怪人1と怪人2
怪人2「くっそー、ハリケンジャーめっ」
怪人1「こうなったら、子供を人質にとって、ヤツラを叩きのめしてやる!」
怪人2「どんな子供がいいかな?」
怪人1「お父さん、お母さんと約束した時間に家に帰らない子供をさらってくるんだ!」
怪人2「それはいい! よーし、いけっ マゲワッパ!」
マゲワッパ、いっせいにジャンプ。子供を捜して走り回りつつなにげにステージセットを押して明転作業。

瑠衣「ふわぁ‥‥凄いセリフ‥‥‥‥」
茜「でも、こういうの、けっこう効くのよ。子供って、本気にするから」
赤星「小さい頃はこーゆー単純でわかりやすいのがいいんだよ」
黒羽「お前さんなんか、今でもこのくらいの方がよさそうだな」
赤星「どーゆー意味だよっ」


ステージ、荒野っぽい風景に。怪人1、怪人2、5人のマゲワッパが登場。子供を二人連れている。
パペ in 怪人1「ヘっへっへっ これでオズリーブスのヤツらも手も足もでないぞー! さーっ さっさと出てきやがれがれがれっ、てーんだ!!」
拳を振り上げて気勢を上げるマゲワッパ

そこに、三人のハリケンジャー登場!
ハリケンレッド「きさまらっ」
ハリケンブルー「子供を人質にとるなんて、卑怯よっ」
パペ in 怪人1「おまえら、だれだ!?」
ハリケンイエロー(がくっとなって)「何言ってんだ! ハリケンジャーだろーがっ!!」
パペ in 怪人1「でたらめゆーなっ!! そんなヤツラはこーだっっ! 野郎ども、かかれっ」
噛み合ってない会話に唖然とするハリケンジャーに襲いかかるマゲワッパ。
少しざわめく会場。大人たちが首を傾げている。しかし、子供達の方はもう夢中。

黒羽(小声で)「おい!」
赤星(小声で)「ああ、殺陣じゃねえ。黒羽、瑠衣、こっちだ」
三人会場から抜け出す。



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