第5話 暗黒次元からの来訪者
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Z3ポイント。造成地のような所。空中に大きな黒い雲が広がっており、中心部分で稲光黒雲の中心がぱあっ開き、中から大量のアセロポッドが!

翠川 「わっ あんなたくさんっ」
赤星 「面白えっ みんな、着装だっ」
4人 「着装っ!」
変身シーン。それぞれテロップはいる。

レッド 「リーブライザー!(レッドの両腕がリーブ粒子で覆われパワーアップ) いくぜえっ!」
レッドに次々とうち倒されていくアセロポッド
ブラック 「こいつには、こういう使い方もできてね!(チェリーの弦の方で次々にポッドを倒す)(一人逃げたポッドに) 「ブラック・チェリー!」(爆弾無しのやつ)

イエロー 「リーブ・チャクラム! (チャクラム飛んでポッドを倒す。それをかわして走ってくるポッド)リーブラスター!」(腰の銃をそのまま腰だめで撃つ)「へっ、こっちのほうが、やっぱ慣れてんな」(そのまま周囲のポッドを撃ちまくる)
グリーン 「ルートンファー!」(目にもとまらぬ早さでトンファーを持ち替えながら戦っていく。逃げようとしたポッドを追っかけて一撃) 「競争なら、負けねーよっ!」

イエローの後ろから襲おうとしたポッドをグリーンがトンファーで倒す。
グリーン 「気をつけろよな、イエローッ」
と、得意げなグリーンの背後から迫るポッド。イエローがグリーンの顔の横から正確に射抜く。
イエロー 「どっちがさ!」

急に、周囲に激しい衝撃波と稲光。4人一カ所に固まる。その前にシェロプと怪人マルキガイナスがふわりと実体化する!

グリーン 「な、なに、あれっ!?」
レッド 「新手の戦闘ロボットか何かか?」
イエロー 「で、でも、なんか、ヘンだぜ!!」
ポッド達がシェロプと怪人の周りに集まって跪く。
ブラック 「なんてこった! あっちの方が親玉だ!」

シェロプ 「貴様たち、アセロポッドをずいぶんと消費してくれたものだな‥‥」
ブラック 「アセロ‥‥ポッド‥‥だと?」
シェロプ 「そうだ。使い捨ての歩兵どもだ」
イエロー 「冗談よせよ、使い捨てだあ?」
シェロプ 「はて? アセロポッドとはいえ、大概の地球人よりは強力なはずだが‥‥。むっ もしや、1年前に潜伏させておいたアセロポッドを消したのも、貴様たちか?」

レッド 「1年前‥‥研究所を爆撃しやがったのは、てめーらかっ」
シェロプ 「なに? 貴様ら、OZの生き残りか?」
レッド 「だったら、どうしたっ!」
シェロプ 「スプリガンも甘いな。これだから平民のやり方は‥‥。まあ、いい。ところで、貴様たち、この一年、少しは楽しんで生きたかな?」
ブラック 「どういう意味だ! お前ら何者だ! 何を企んでやがる!」
シェロプ 「アセロポッドをつぶして、我々の探索をジャマしてくれたことは貴様たちの命で贖ってもらう。この私の名の下で死にゆくこと、感謝するがいい!」

シェロプ かちっとブーツの踵を合わせ、右拳を左胸に当てる。
シェロプ 「暗黒次元を統べるスパイダル帝国侯爵、四天王筆頭、魔神将軍シェロプ! 我らが首領の御為、この地球をスパイダルのものとする!」
レッド 「やれるもんなら、やってみやがれっ」

レッド、シェロプにつっこんで行くが、マルキガイナスがシェロプの前に立ちはだかる。勢いそのままにマルキガイナスに拳をたたき込む。マルキガイナス、よけもしない。
レッド 「なにぃっ!?」
マルキガイナス、平然とレッドの腕を掴むとその身体を地面に叩き付け、踏み蹴る。
イエロー(撃ちながら飛び込んでくる) 「リーブラスター!」
弾丸の当った部分が一瞬だけ溶けたようになり、すぐ再生するのをレッド目撃。
ブラック 「ブラック・チェリー!」
怪人、爆発の衝撃で少し後ろに。レッド、離脱。

イエロー(レッドを支えて) 「大丈夫かよ!」
レッド 「ああ‥‥。し、しかし‥‥マジ、化け物だぜ‥‥」
マルキガイナス 「ハッ! もう少し楽しませてくれると思ったが、そこまでか?」

ブラック 「どうする!? こっちの武器、ほとんど効いてねえ!」
レッド 「‥‥‥‥こうなったら、オズブルーンのバルカンぶち込んでやるっ! ブラック、そっち、任せる! イエロー、セクター呼べっ」
ブラック、リーブレスでオズブルーンを、レッドとイエローはセクターを呼ぶ。
イエロー 「グリーン! 運転、頼む!!」
グリーン 「オッケーっ」

後方から低空飛行で入ってくるブルーン、ブラックそっちへ走る。マルキガイナスは二台のセクターが阻止。イエロー、後部シートから撃ちまくる。

ブラック(オズブルーンの操縦席から) 「みんな、離脱しろ!」
セクターに乗った3人離脱。オズブルーンのバルカンがシェロプとマルキガイナスを掃射。
シェロプ 「おのれっ」
シェロプ、マルキガイナス、消える。

イエロー 「や、やったのか?」
グリーン 「なんか‥‥途中で消えたよ‥‥」
レッド 「ああ‥‥逃げられたみたいだな‥‥」

===***===

コントロールルーム。戻ってきた4人。3人、崩れるようにイスに座り込む。黒羽、例によってドアの側の壁に寄りかかっている。

葉隠 「みんな、大丈夫か!?」
赤星 「ええ、なんとか‥‥。まさか、あんな‥‥(気弱なことを言いそうになってハッとする)い、いや、博士、データ的にはどうなんです?」
葉隠 「芳しくはない。あの化け物の身体は今君たちが持っている武器では破れん‥‥」
黒羽 「たまたま、バルカンぶっ放せる場所だったからよかったが‥‥」
黄龍 「そうゆーこと。街中とかじゃ、あの手は使えねーんじゃねえ?」

赤星 「スパイダル帝国‥‥。地球を征服するって言ってたな‥‥」
翠川 「アイツら、どこに行っちゃったんだろう?」
有望 「彼らも、あの‥‥アセロポッドとかいったかしら、あの連中と同じ電磁波を出しているの。だから現れればたぶん検出はできるとは思うわ‥‥」
黄龍 「参ったよなー。あのアセロポッドってのが、沢山来るだけだと思ってたら‥‥」
黒羽 「まあ、いささか画一的に過ぎるとは思ってたが‥‥。しかし、あそこまで力の差のあるヤツが出てくるとはな」
翠川 「じゃ、じゃあ、こんどアイツら来たら、オレら、負けちゃうの?」

赤星 「‥‥‥‥有望、俺のスーツから電送された映像、出せるか?」
有望 「どのあたり?」
赤星 「黄龍がリーブラスターで化け物を撃ったあたりだ‥‥。あ、俺がやる」
赤星、ジョグダイヤルを回していく。皆、立ち上がってモニター前に
赤星 「ここだ」
倒れたレッドの視点からの映像。リーブラスターの弾丸が当たった怪人の表皮が一瞬溶けて弾丸を吸収し、すぐ再生する。
黒羽 「溶けた‥‥。そうか‥‥テルミットを!?」
赤星 「ああ。衝撃を吸収するためにもし溶けやすくなってるんだとすれば‥‥、テルミットぶち込んだら効くんじゃねーか?」

有望、さっとマシンに向かい、データをいくつか打ち込む。
有望 「でも‥‥2分以内には再生してしまいそう‥‥」
赤星 「それだけありゃあ充分だろ。黒羽がチェリーでテルミット弾を撃ち込む。黄龍、ヤツが両手でガードするの、リーブラスターで止められるかな?」
黄龍 「二丁使えれば、なんとかなるっしょ」
黒羽 「さすが瑛ちゃん。謹んでオレのをお貸ししましょう」

モニター、リーブラスターの映像へ。くるんと剣の形に変形。説明:ブレードモード
赤星 「それで、溶けた箇所に輝と俺がリーブラスターをブレードモードで叩き込む。輝、下から黄龍がくるから、かなり高くから入るぞ。あと、ブレードが互いにぶつからないように注意だ。力を相殺したくない。」
翠川 「う、うん。リーダーのブレードに沿わせればいいんだね?」
赤星 「違う。お前がポイントを決めるんだ。俺がお前に合わせる」
翠川 「えっ!」

赤星 「お前の動体視力のほうが俺のより遥かに優れてる。溶けた箇所、確実に見極めて突け。俺はお前の動きに従う」
翠川 「そんなこと‥‥」
黒羽 「坊や。競技だと思うんだな。煙の中から的が出てきて、いかに早く、確実に的を突くかって、競技なんだってな」
翠川 「で、でも‥‥」
黄龍 「アキラよー、お前の動きの良さ、俺様だって認めてるんだけどな、ちょーっと悔しいけどさぁ?」
翠川 「エイナ‥‥」
黄龍 「信じてるぜ。お前がやりやすいように、こっちも目一杯フォローすっからよ!」
翠川 「よ、よし! オレ! がんばるよっ」

サルファ 「敵ノ電磁波、きゃっちシマシタ! T7ぽいんと びる街デス!」
黒羽 「な! 博士! 警察には!?」
葉隠 「分かった範囲のことは報告してある!」
赤星 「よーし、こっちも出動だ!」

4人部屋を出ようとすると、いつの間にか入口に瑠衣が立っている。
瑠衣 「あ、赤星さん‥‥あの‥‥」
赤星(横をすり抜けながら) 「そんな顔すんな。大丈夫だ!」
黒羽、瑠衣の肩を軽く叩き、ウインクしてやはり脇を走り抜ける。翠川と黄龍は少し複雑な表情で‥‥。黄龍、通路を走りながらもコントロールルームの前に佇む瑠衣を何度も振り返る。

===***===

ビル群のただ中に出現したシェロプ、怪人、アセロポッド。
シェロプ 「我が名はシェロプ。暗黒次元を統一したスパイダル帝国の魔神将軍シェロプ。今からこの国は、スパイダルの統治下におかれるのだ!」
葉隠の連絡で特殊部隊と大型の銃を用意して立ち向かう警官隊。アセロポッドは倒せるが、怪人に一蹴される。そこに4台のリーブセクターが入ってきて、警官隊と合流。

現場の責任者 「あ、あなたたちは‥‥OZの?」
レッド 「はい! 化け物二匹は引き受けます!」
シェロプ 「また現れたな! OZの残党め!」
レッド 「今度は逃がさねぇぜ!」
シェロプ 「面白い! マルキガイナス! 奴らを皇帝陛下への生け贄とせよ!」

闘いに入る。シェロプVSイエロー、グリーン。怪人VSレッド、ブラック。レッドとブラックは怪人のパワーに押されつつ、なんとかその動きを止めている。グリーンのめまぐるしいヒット&アウェイによる攻撃と、とその間を縫って絶妙に撃ち込まれるイエローのリーブラスターにシェロプたじたじ。と、トンファーの長軸をもったグリーンがシェロプのサーベルを絡めはじき飛ばす。シェロプ、思わず飛んで、サーベルを拾う。
シェロプ 「チッ マルキガイナス! あとはまかせたぞ!」(消える)

怪人に対峙する4人。
レッド 「いくぜっ!!」
3人 「了解!」

中にブラック、イエロー、両翼にグリーン、レッド。4人で怪人につっこんでいく。
ブラック 「ブラック・チェリー!」
矢の先端のテルミット弾、怪人の胸に付着し高熱を発する。思わず両腕で庇おうとするが
イエロー 「リーブラスター!」
二丁のリーブラスターを持った黄龍が走り込んできて怪物の両腕に弾丸をぶち込む。
レッド・グリーン 「リーブララスター、ブレードモードッ」
黄龍の後ろから飛び上がったレッドとグリーン

グリーン 「そこだーっ!」
怪人の胸の溶けた部分に、キレイにそろった2本のブレードが刺さる。
レッド 「離脱しろっ」
グリーン、ブレードを押し込む反動で後ろに翻って離脱。レッド2本のブレードの束を掴むと、怪人の身体を蹴ってブレードを抜き、離脱。

崩れた怪人。揃う4人。
レッド 「やったか?」
グリーン 「わっ 動いたっ!」

怪人よろめきながら立ち上がる。
マルキガイナス 「こ、このくらいで、オレを倒せると‥‥思うなよ‥‥」(消える)

ブラック 「バカな‥‥あれでも、まだ倒せないのか‥‥」

港。海に沈む夕日を見つめる、赤星、黒羽、黄龍、翠川の4人。

黒羽 「始まったな‥‥」
黄龍 「ああ‥‥」
翠川 「でも‥‥きっとなんとかなるよ! オレたち、一緒ならさっ」
赤星 「そうだな‥‥」(他の3人の顔を見て) 「そう、信じよう!」

4人、決意の表情で、夕日に背を向けて歩き始める。


   (エンディング)

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