紙飛行機 4
 

「今日は、やめておこうかな‥‥」
「そっかぁ‥‥‥」
「冗談です。軽く一手いきますか?」
「ホントか?」
子どものようにまあるく輝く父の目に、いつものことながら笑ってしまう。

悟空が息子に紙飛行機を手渡すとはずむように立ち上がった。悟飯はその翼の部分を折り上げて小さく畳み、部屋着の胸ポケットに収める。ふわりと立って父親にまっすぐに正対した。

無造作に右手をあげると、それをそっと支えるように父の手が受け止める。目を閉じると、触れあった掌から力強い父の気が流れ込んでくるのがわかる。それをそのままに受け入れて、入れ替わるように息を吐いていく。冷たい夜気を時間をかけて取り込めば、意識は澄んで、両足と軽く下げた左手から馴染んだ温流感がわき上がる‥‥。

悟飯は父の、陽の光のまぶしさと温もりと無限に湧き出るその力強さを‥‥
悟空は息子の、澱みも煌めきも全てを包む海の深さと広がりとそのたおやかな強靱さを‥‥
かみしめるように感じて‥‥。

二つの似通い、されど異なる色が、月の光の中で混じり合う。
互いへの深い愛情と尊敬に満ちて、ずっと昔からそうしてきたように‥‥。

はるか先までそうあるように‥‥。

終わり


















これはかおるさんが私の「悟飯&パン+悟空さ」のイラストを見て書いて下さった小説です。
大人になった悟空と悟飯の関係が、とても素敵に描かれています。…私のイラストの悟空と悟飯より少し大人っぽいかしら(笑)
かおるさんのオリジナルキャラ、タオ博士もエキストラ出演です(笑)彼のファンの私は非常に嬉しいです♪(ヘタレなカットまで…/汗)