あとがき



 連載をはじめたのが2002年1月。夏頃にいろいろ思うところがありまして、ちょうど一年たったあたりで終了したいなと考えていたのですが、計画通りのペースで無事に終えることが出来ました。

 5minutesが、途中から恥ずかしくて恥ずかしくてしょうがなかった作者が、恥ずかしがらずに書けたのが、この「孫くんの恋人」。
 タイトルは「南くんの恋人」からパクっております。ご存知ないかもしれませんが、昔やっていたドラマで(もとは漫画)南くんの彼女がミニマム化するお話です。しかし本編とは単なる「ミニマムつながり」です。

 なぜ今更ミクロバンドなのか。それは、ブルマがミクロバンドで悟空についていき、クリリンが合流してレッドリボン軍に追われながら冒険するあたりの話がとても好きだから。2人+クリリンの会話とかテンポとか、凸凹のバランスが絶妙だと思っていたので、それを大人にアレンジした冒険活劇を目指したのです。もちろん原作のようなテンポのいいものは書けませんが、漫才しながら災厄(ベジータやチチ 笑)をかいくぐっていくイメージを大切にしました。(ほんとかよ)
 今回はクリリンはちょっとしか出ませんけど、それでも悟空とブルマを書くのは楽しいです。とくに会話。この二人は会話上での役割分担がかなりはっきりしているので、他の組み合わせを書くよりも断然勢いがつきました。

 このお話は最初、短い漫画みたいな感じで頭に浮かんだので、小説に書き起こしてみたら、小説らしい情緒も深い心理描写も皆無でした。あまりにも淡泊なので、あとから心の描写をいろいろつけてみました(浅いけど)。あ、でも唯一、浮気に戸惑うチチには結構感情移入して書きました。夫にブルマみたいな友達がいたら嫌だろうなぁと思いながら。

 この作品のブルマがかなり自己中でワガママ爆発しているのは、完全に私の趣味です。ブルマは、母親になってからずいぶん性格も丸くなったような気がしますし、そういう彼女も好きなんですが、私は初期の頃からブルマが好きで、とくに少年漫画のヒロインにあるまじきあの性格に惹かれておりました。ワガママで口も悪くて、自分中心に生きている、けど誰にも憎まれないブルマ。そういうブルマに久々に振り回される悟空やみんなが書きたかったのです。だから、悟チチ一筋のかたが読むと、このブルマには相当腹立つかもなぁ、とも思うのですが・・・私は性格悪いブルマが好きなので許してください。

 ベジータ好きと公言しながらなぜ私はブルマばかりを小説に用い、あろうことかベジータ以外と組ませてばかりいるのでしょう。ウチのサイト、悟ブルというめずらしい組み合わせの小説がすでに2つ・・・。ウチはもうすでに悟ブルサイトと称するべきか。とりあえず今回書いていて痛感したのは、私には甘甘小説は向かない、甘い恋愛とは別のところにある何かを書くほうが楽しいかな、ということ。だから今後もベジブルはあまり書かなそうです。甘くないのなら書くかもしれないけど。(笑)
 でも、なんだかんだいって最後にはしっかりベジータで締めるあたりが、私の彼への深い愛だと思ってやってください。




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