No Exchange パート2!
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東京都練馬区○泉○園のある場所で暴れ回る3匹のロボット怪人。倉庫のような建物が並んでいる。黄色いヘルメットの作業員らしい人たちが逃げていく。
そこに登場するオズリーブス

レッド「そこまでだ、スパイダル!」
バルブスプリングコンプレッサ(以下バルブ)「はっはっはっ 待ちかねたぞオズリーブス」
タイロッドロックナットレンチ(以下タイロ)「ここがお前達の墓場になるのだ!」
クリップクランプアングルショート(以下クリップ)「我らが三人揃えば、向かうところ敵なし!」

イエロー「ありゃ。3匹一緒かよ。めずらしーじゃん?」
バルブ「聞いて驚くな。オレ様は暗黒機甲兵軍曹バルブスプリングコンプレッサ!」
タイロ「同じくタイロッドロックナットレンチ!」
スナップ「伍長のクリップクランプアングルショートだ! 認識番号はAP203-10A!」

レッド「バルングコンデンサーにタイタニックレンジにフリップフロップ回路だと!?」
イエロー「ぜ、ぜんぜん違うだろ?」
グリーン「どーでもいいけど! なんでもカタカナにしちゃうのって、良くないんじゃない?」
ブラック「そうか? オレは愛着を感じる名前だと思うが」
ピンク「みんな、そーゆー問題じゃないでしょっ?」

そこにGOinSPとSPinSHが登場。
SPinSH(一応カッコつけている)「我ら5人相手に、どこまで持ち堪えるかな?」
GOinSP(いつも通り)「へっへっへっ どーだ、おでれーたか、オズリーブス!」
グリーン「‥‥スプリガン、ずいぶん姿勢悪くなったね」
ピンク「それに、なんか下品だし」
GOinSP「なにおっっ」

GOinSP、思いっきり背筋を伸ばした拍子に転ぶ。
SPinSH(GOinSPを助け起こして)「おい、気をつけろ」
GOinSP「どりゃぼけーっ だからシッポつけとけってんだっ」
5人「‥‥‥‥‥‥」
GOinSP「とにかく!‥‥‥‥‥ものども、かかれー!!!!」
3つのメカ怪人とSPinSHとGOinSP、オズリーブスに襲いかかる。


レッド対SPinSH。ブレードモードを振りかぶるレッド。
レッド「たあっ!!」
SPinSH「そんなもん!」(ぱっと腕をあげて剣を受け止めるが)「いって――っっ!」
レッド「へ?」
SPinSH「‥‥久しぶりに‥‥痛いぢゃないかっっ!!」
レッド「わ、わりぃ‥‥って、なんで俺が謝んなきゃいけないんだよっ!」
レッドの剣、またSPinSHの胸のあたりを斬る。
SPinSH「痛ぇって言って‥‥! うおお、なんて不自由なカラダなんだ――!」


ブラック対タイロッドロックナットレンチ。タイロの頭、よく手入れをされて使い込んだ工具の輝き。
ブラック「お前さん、その頭、なかなかよく手入れしなすってるね」
タイロ「お! わかるかい、兄さん!」
ブラック「もちろん! 毎回よーく油で拭き込まないとそのツヤは出ないでしょうな」
タイロ「嬉しいねぇ」
ブラック「やっぱりあれかい。そことそこのネジはハズして掃除するのかな?」
タイロ「そうそう。こうやってさ‥‥」
タイロ、ネジをハズして分解してみせる‥‥が‥‥
ブラック(斬りかかる)「隙、大あり!!!」
タイロ「わわっっ ずるいっっ」


グリーン対GOinSP。
GOinSP「こい、チビ!」
グリーン(むすくれる)「あったま、きた! トンファー・ブレードモード!」
グリーン、軽い身のこなしで飛び回り、GOinSPに斬りかかる。
GOinSP「くわっ! 身体が重いーっ」
グリーン「とどめだっ」
横手に回ったグリーン。GOinSP、シッポで払おうとしてぐるりとターン。
グリーン「え?」
思わず引いたグリーンの前で、バレリーナのように華麗にターンしたGOinSP、ばたりと仰向けに倒れる。
グリーン「何してんの?」
GOinSP「ま、待て、タンマだ。シッポつけてくるまで待って‥‥」
グリーン「聞かないもんね! とりゃっっ!」
グリーン、GOinSPに一撃あたえて飛び離れる。
GOinSP「ぎゃー!‥‥って、あれ?」(上半身を起こす)「おお! 丈夫が一番!」


イエロー+ピンク対バルブスプリングコンプレッサ+クリップクランプアングルショート
イエロー「以前もあったこのパターンは、みんなが好き勝手ボケまくる展開‥‥。ピンク! 俺達がちゃんとやらないとヒーロー番組になんねーぜっ」
ピンク「はいっvv ピンク、行きます! マジカルスティック!」
ピンク、高くジャンプ!
ピンク「赤巻紙青巻紙黄巻紙トルネード!!」
バルブ「なにお! 来るなら来てみろ、あかまきがみあおまきまかかかか‥‥」
マジカルスティックからピンクのリボンが飛び出して、バルブスプリングコンプレッサをぐるぐる巻きにする。

バルブ「どこが赤巻紙青巻紙黄巻紙なんだ!」
ピンク「せっかく言えたのに残念でした。正解は普通のリボントルネードですvv」
バルブ「何が正解だって‥‥(身体を巻いているリボンが爆発)ぎゃーっっっ!」
ピンク「あ、ごめん。リボン・バースト・トルネード、だったわ」

その状況を並んで見ている、イエローとクリップクランプアングルショート。
クリップ「誰がちゃんとやってるんだと?」
イエロー「‥‥‥‥ま、まあ、こーゆー予想はしてたんだけどさ‥‥‥‥。
     よし! 俺達だけでもマジメにいくぜ! 覚悟はいいな!」
クリップ「おう!」

イエローとクリップ、背中合わせに立つ。いきなりつむじ風。
テロップ「イエローリーブスVSクリップクランプアングルショート」
イエロー「1」(お互い1歩ずつ離れる)
クリップ「2」(同上)
イエロー・クリップ「3」(同上)
クリップ(振り向きざまに何かを投げる)「ビスボンバー!」
イエロー(左手でチャクラムを投げると同時にブラスターを撃つ)「シェルモード!!」

クリップ(リーブラスター命中して)「どあわっ!」
チャクラムから広がったネットがクリップクランプアングルショートの投げたビス爆弾を、空中で絡め取る。イエロー、落ちてきたネットを受け取り、クリップに向かって投げる。
イエロー「返すぜ!!」
クリップ「ぎゃあああっ!」
クリップ、よろよろと後退。そこにやっぱりよろよろと他の4人が集まってくる。一方、銃口を吹いてカッコつけているイエローの回りには、リーブスの4人が駆け寄る。
ピンク「やーん、イエロー、かっこいいvv!」
イエロー「へん。ざっとこんなもんって感じ?」


SPinSH「くそ‥‥。ここまで手こずるとは思わなかったぜ。こうなったら最後の手段。合体だ!」
5人「なんだってっ!?」
SPinSH「バルブスプリングコンプレッサ! タイロッドロックナットレンチ!
      クリップクランプアングルショート! 合体だ! 出でよ!
      バルプクランプタイロッドコンプレッサショートレンチ!」
何も起こらない。
GOinSP「ど、どうしたんでぇ?」
SPinSH「だめだ。お前、言え!」
GOinSP「なにー!!!」
SPinSH「声紋込みで、合体のキーワードになってんだよ! 早くしろ!」
GOinSP「な、なんて言うんだ‥‥?」
SPinSH「バルブスプリングコンプレッサ! タイロッドロックナットレンチ!
      クリップクランプアングルショート! 合体だ! 出でよ!
      バルプクランプタイロッドコンプレッサショートレンチ! だ!」
GOinSP「バブルス、コンテッサ、タイロケレンチ、えーと、それから、クリップラリアート、
      合体だ。出でよ、バブルロッドショートケーキ!!!!」
SPinSH「ぜんぜん違う!! (さっきよりもっと早口で)バルブスプリングコンプレッサ。
      タイロッドロックナットレンチ。クリップクランプアングルショート。合体だ。
      出でよ。バルプクランプタイロッドコンプレッサショートレンチ、だ!!!」
GOinSP「んなもん、言えるわけねーだろー!!」


やいのやいのやっている敵を見ている5人。
ピンク「な、なんか大変なことになっちゃった‥‥」
イエロー「でもよ。スプリガンの部下だってのに、どーしてアイツが苦労してるわけ?」
ブラック「まあ、どっちにしろ合体するまで待った方がいいな。バズーカ一発でカタがつく」
レッド「よし。じゃあ一生懸命なのジャマしないように、そっと準備しような」
レッド、リーブレスに小さく呼びかける。
レッド「スターバズーカ。静かにお願いします」

グリーン「へへへー。リーダー、同情してんでしょ」
レッド「‥‥うん‥‥。‥‥リーブメカがあんな名前だったら絶対呼べねーや‥‥‥‥」
ブラック「何いってる。簡単じゃねぇか。バルブスプリングコンプレッサ。
     タイロッドロックナットレンチ。クリップクランプアングルショート。
     合体すると、バルプクランプタイロッドコンプレッサショートレンチ、だろ?」
4人、思わず引いて固まる。


GOinSP「よーし、できた! いくぜ!」
SPinSH(小さく)「バルブスプリングコンプレッサ」
GOinSP「バルブスプリングコンプレッサ!」
SPinSH(小さく)「タイロッドロックナットレンチ」
GOinSP「タイロッドロックナットレンチ!」
SPinSH(小さく)「クリップクランプアングルショート」
GOinSP「クリップクランプアングルショート! 合体だ! 出でよ!」
SPinSH(小さく)「バルプクランプタイロッド」
GOinSP「バルプクランプタイロッド」
SPinSH(小さく)「コンプレッサショートレンチ」
GOinSP「コンプレッサショートレンチ!!」

3体のメカが合体した! が、すぐに‥‥

5人「スターバズーカ! ファイヤーッ!!」
スターバズーカ、合体怪人に命中。

バルプクランプ(以下略)「出来たばっかりなのにぃいいいっっ!!!」
バルプクランプ(以下略)消滅。


SPinSH「あああああ‥‥。せっかくの傑作が‥‥」
GOinSP「‥‥覚えてやがれっっ」
幹部二人、消える


着装を解いた5人。
翠川「なんか、今日もヘンだったね‥‥‥‥」
黄龍「アセロポッドか四天王に化けて来たとか、そんなんじゃねーの?」
瑠衣「‥‥瑠衣、わかったわ‥‥」
翠川「え、なになに?」
瑠衣「背後霊とか憑依霊とか、そういうのに操られてたのよ!」
赤星「なにー!?」
瑠衣「だって、ぜったいヘンだよ。見かけは確かに本人で、言葉づかいと動きだけがヘンで‥‥」
黒羽「なるほど。色んな霊を取り憑かせて、試してるのかもな」
赤星「ええええええ!! ‥‥じゃ、あれ‥‥ゆーれー‥‥」
黄龍「(小声で)んなわけ、ないっしょ?」


夕日の沈む海辺。岩場である。
SPinSH「だいたいお前さんがさっさと合言葉をいってれば、うまくいってたんだよっ!」
GOinSP「あんなもん言えるか! 怪人にあんな名前をつけるか、ふつー!」
SPinSH「覚えやすくていー名前だろーが!」
GOinSP「誰がだ、このメカフェチの変態野郎!」
SPinSH「てめーがバカなんだろーが!」
GOinSP「バカだと!? この‥‥。その顔だとすげー頭に来やがるぜ! こーしてやるー!」
GOinSP、いきなり走り出す。
SPinSH「あ、何する、このバカ! やめろ!」
GOinSP「ぐあああ! また言ったなー!!!」
超特急で海に飛び込むGOinSP。ぶくぶく沈んでいく。
GOinSP「ばぶべべぼ〜!」(たすけて〜)




翌朝。スパイダルの中央司令室。
みな元に戻っている。3人はごちゃごちゃと文句を言い合い、アラクネーは一人で姿見を見て、ほっと安堵の溜息をついている。

スプリガン。身体のあちこちを一生懸命手入れしている。ところどころにサビが浮いている。
スプリガン「ゴリさん、メンテナンス代は全部請求するからな! 覚えとけ!」
ゴリアント(鼻をつまみながら)「はにぃ! れんふ、へめーら、わるい、んら‥‥」

スプリガン(顔をあげて)「何言ってる‥‥。なんだ、この匂い?」
ゴリアント(鼻から手を放してスゴイ早口で)「シェロプのバカが、身体中になにか塗ったくりやがったんだー!!」(またすぐに鼻をつまむ)

シェロプ「何を言う。最高級の香水だぞ。白き貴公子‥‥私をイメージして作らせた‥‥いつつ‥‥(胸を押さえこむ)‥‥それよりスプリガン。‥‥私も断固貴様に慰謝料を請求するぞ」
スプリガン「とっくに身体の改造は終わってると思ってましたぜ。ったく役立たずで‥‥」
シェロプ「なんだと! 自分の立ち回りの悪さを棚にあげて‥‥」
スプリガン「わかったわかった。だが悪いのはオレじゃねえ。レッドリーブスだろーが!」
シェロプ「そ、それは‥‥。くそ‥‥。あの三次元の虫ケラが‥‥っ」

突然部屋のスピーカーが鳴る。
BIの声「アラクネー。すぐに私の部屋まで来るように!」
アラクネー「は、はい!」



BIの私室。廊下の端からひょこりと顔をのぞかせるスプリガン、シェロプ、ゴリアント。そっと忍び足でドアに近づく。スプリガンは足にスポンジを巻いている。ドアの外に張り付く3人。聞こえてくる二人の声。
BIの声「つかぬことを尋ねるが‥‥私の髪はなんでこんな形に?」
アラクネーの声「は、はい。あの三つ編みを‥‥」
BIの声「三つ編み?」
アラクネーの声「失礼します。こうやって3束とって編むのです」

BIの声「なぜわざわざそのようなことを‥‥」
アラクネーの声「いえ、司令官の髪は長くて柔らかくて、ちょっとクセがあるので‥‥」
BIの声「それで?」
アラクネー「ですから、その‥‥。細かく編めばきっときれいなソバージュが‥‥」
BIの声「そーゆー意味ではない!」
アラクネーの声「でも予想通りまるで髪結いに行ったようにキレイに‥‥」
BIの声「兜に入りきらなくて困っておるのだ! 早く元に戻しなさい!」

ドアの外で笑いをかみ殺す3人。それを陰から見ているアセロポッド。



番組冒頭の居酒屋。番組冒頭の二人が番組冒頭と同じように話している。
男A「なに? チームワークが良くなってしまった?」
男B「ああ。とにかく魔神将軍と機甲将軍はなんかつかず離れずだし、夢織将軍もいつも以上に参謀閣下とべったりだし、ちょっと具合が悪そうだったのは牙将軍ぐらいで‥‥」
男A「うむ‥‥。まずい霊が取り憑いてしまったのか‥‥」
男B「まずい霊?」
男A「たとえば、昔の四天王とか‥‥」
男B「なに? それはヤバイぞ! オレもじいさまから聞いただけだが、とにかくスパイダル史上最強の4人衆と言われた連中なんだろ?」
男A「例の部屋にはそーゆー亡霊も閉じこめられていたのか‥‥。この作戦、失敗だな」
男B「そうだな。とにかくまた新しい情報がはいったら知らせる‥‥」


画面にカチカチとINするテロップ。
「こうしてスパイダル幹部たちを襲った悲喜劇は終わった。だが、スパイダルにレジスタンスある限り、彼らの敵はオズリーブスだけではないのだ! がんばれ四天王、くじけるなブラックインパル‥‥‥‥ん?」

上記の文字を蹴散らして「龍球戦隊オズリーブスOVS」「No Exchange! Part II」「The End」 IN



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background by 素材屋じゅん