龍球戦隊オズリーブス VS 野菜戦士ベジグルV
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ある幼稚園。庭から突如、緑の触手のようなものがたくさん生え出す。驚く園児と保母たち。すぐにごろんと大きなスイカが地面から転がり出す。スイカから葉のびっしり茂った蔓が2本延びて子供を巻き取って引き寄せる。
子供1「わああっ」
スイカがぴかっと光り、子供が消えてしまう。
保母「みんなっ 逃げるのよっ」
触手が暴れ回り、蔓が子供達に向かって伸びていく。また何人か捕まって消える。そこに飛び込んでくる黒羽。ギターで触手を払いながら子供達を助ける。
黒羽(保母達に)「部屋に入って窓とドアを閉めて!」
保母「ス、スイカが子供を、け、消して‥‥!」
黒羽「なんですって!?」
また聞こえてくる子供の悲鳴。蔓が2人の子を捕まえて引き寄せようとしている。
黒羽「させるかっ」
黒羽、子供を1人なんとか取り返すが、引き寄せられた子供がスイカの光を浴びて消える。
黒羽「な‥‥っ?」
黒羽子供を捕まえていた蔓を掴むと地面に不思議なカプセルが落ちる。拾ったところに大量の触手が襲ってくる。
黒羽「く‥‥」

レッド「ブレードモード!」
飛び込んできたレッドリーブスが黒羽に巻き付いていた触手を切る。
黒羽「お前‥‥っ」
レッド「やっぱ居たな! ほらよっ!」
レッド、黒羽に何かを放り投げる。黒羽が受け取ってみるとブラックのリーブレス。
黒羽「ったく! 着装!」
黒羽、ブラックに変身。

グリーン(触手を切って跳んでくる)「会いたかったよっ」
ブラック「前以上にいい動きじゃないか、ミド!」
イエロー(飛んでくる触手を狙い撃ちつつ)「少しは仕事を手伝ってもらうぜ、先輩?」
ブラック「そう呼ばれる時はロクなことがねえな、イエロー!」
ピンク(駆け寄ってきてブラックの腕にすがる)「行き先ぐらい言ってかなきゃダメなのに!」
ブラック(ちょっとこけて)「いや、男は一人で道を行くものなんですがね、ピンク」
レッド(手を差し出して)「とにかく、会えて嬉しいぜ!」
ブラック(レッドと手を叩き合わせて)「やれやれ、ってトコですかね」

巨大スイカを見つめる5人。
ブラック「子供が何人かあいつの光を浴びて消えたらしい。オレの見てる前でも1人‥‥」
レッド「カプセルみてーのがなかったか!?」
ブラック(さっき拾った大きめのカプセルを出す)「これか?」
グリーン「その中に子供が吸い込まれてるんだよっ!」
ブラック「なんだと?」
ピンク「ほんとよ。あたしも昨日同じ目に遭ったの。地面にぶつければ元に戻るわ」
ブラック「じゃあ、あとの子供たちもカプセルに‥‥?」

レッド(いきなりスイカに向かって叫ぶ)「やい、お化けスイカ!」
スイカノイド(蔓を揺らめかせて)「究極野菜一の天才、スイカノイドに対し、なんと無礼な物言いだ!」
ピンク「あれ‥‥。手も足も頭も出てこない」
グリーン「もしかしてこれ全体が1個の怪人なのっ?」
スイカノイド「驚け。私が自らに加えた偉大なる改造の成果だ!」
イエロー「まさか、子供達を吸収して、そこまででかくなったのか!」
スイカノイド「ふっふっふっ。あのエナジーカプセルは最期の仕上げに使わせてもらう。そうしてこの街を私の身体が覆い尽くすのだ!」
ブラック「そんなことさせるか! 子供達を返してもらおう!」
スイカノイド「できるものならやってみよ!」

空からいきなり大声。
ベジレッド「見つけた〜!」
変身したベジレッド、ベジピンク、ベジブルーが空から舞い降りる。オズリーブスを向いて謝る。
ベジピンク「すいません〜。地図が細かすぎてかえって迷子になっちゃって」
ベジブルー「おうちとビルがずーっと並んでて、どこも同じに見えるんだもん」
ベジレッド「いやぁ。いつも気を頼りにてきとーに飛んでるもんで‥‥」
レッド(スイカを指さして)「いや気にしないで‥‥って、ほら、スイカ、スイカ!」

ベジレッドたち、スイカノイドにくるりと向き直る
ベジレッド「あっ、お化けスイカ! ここで見つけたが百年目! 神妙にお縄を頂戴しろ!」
スイカノイド「だからその呼び方は止めよと言ってるだろう!」
ベジブルー「いっしょに来るなら、オオカミにもオジジがあるぞ!」
スイカノイド「ええい、わけのわからんことを! 我々にはここの土壌が合っておるのだ!!」
ベジレッド「ならば詮方無い! この世にはびこる極悪人、拙者が成敗してくれる!」
ベジピンク「いざ覚悟! 我ら野菜戦隊ベジグル・ファイヴ!」

見ているオズリーブス5人。
ブラック「ベジグル・ファイヴ?」
レッド「すげーだろ。あの人たち、未来から来たんだぜ」
イエロー「しっかしあのセリフは遡りすぎっしょ‥‥」
ピンク「そう? かっこいいよ。スイカも実際はびこってるし」
ブラック「なんで3人でファイヴなんだ?」
グリーン「イエローとグリーンが迷子なんだよ」
ブラック「え? もしや‥‥」

3人、マントで顔を隠すようにしてくるりと回って決めポーズ。
ベジピンク「ベジピンク推参!」
ベジブルー「ベジブルー参上!」
ベジレッド「ベジレッド見参!」
ベジピンクがこっそり投げた煙玉で効果満点!
スイカノイド「なーにがベジグルグルだ、このグレート・サイヤマンめ!」
3人「あーっっ その名前は使っちゃダメ!」
スイカノイド「どんな名前だろーが、飛んで火に入る夏の虫には変わりはないわ!」
8人の背後の地面から大量の触手が飛び出す。ぐるぐる巻きにされてぐっと締め付けられる8人。
ベジピンク「きゃああっっ!」
ベジブルー「あ、あれ‥‥」
ベジレッド「力が‥‥抜けて‥‥」
ベジレッドたち3人崩れ込む。
ベジブルー「わわわ‥‥っ」
スイカノイドに引き寄せられるベジブルー。大量の蔓が吹きだしてベジブルーを覆ってしまう。
ベジレッド「ああっ!」

ピンク「ベジブルー!!」
グリーン「しっかりしてっ」
レッド「みんな、負けんな! 立てっ!」
5人「うおおおっっ!」
立ち上がり渾身の力を込める5人。パワーアップ。スーツが淡く光始めると、触手を次々とぶち切れる。触手達がわらわらと襲ってくるがなぜか巻き付いてこない。5人、ベジレッドとベジピンクに駆け寄って触手を引きはがす。
ピンク「しっかりして、ベジピンク!」
グリーン「ケガしてない?」
ベジピンク(なんとか立ち上がって)「あ、ありがと‥‥」
イエロー(ベジレッドを助ける)「大丈夫かよ?」
ベジレッド(完全に脱力していて立ち上がれない)「か、身体が‥‥」
スイカノイド「はっはっはっ 私はサイヤ人のエナジーを究極野菜の糧とする方法を見つけたのだよ! おまえたちのおかげで私はよりパワーアップできる!」
ベジピンク「じゃあ、悟飯君と悟天君は‥‥」
スイカノイド「まずはこのチビ助から徹底的にエネルギーを頂くとするか!」
大量の蔓の中からばたばたしている小さな手

レッド「俺たちがいる限り、させるかよっ!」
ブラック「お前さん、リーブエネルギーは苦手のようだな!」
イエロー「それで襲って来れなかったってか」
グリーン「よーし! いっく‥‥」
スイカノイド(ベジブルーの身体を自分の前に引き寄せて)「動くな! こいつの手足をもがれたいか!」
悟飯(変身を解いている。ビーデルに支えられてなんとか立ち上がる)「ご、悟天を、放せ!」
ベジブルー「に、兄ちゃ〜ん」
レッド「くそっ あそこまで引き寄せられてちゃ‥‥」

空から声「悟天! 悟飯!」
悟飯「あ‥‥、と、父さん?」
飛び込んでくる道着の男とマントの男。もちろん悟空とピッコロ。
ブラック「やはり‥‥」
レッド「あなた達がベジグリーンとベジイエロー‥‥」
ピッコロ(少し驚くがすぐに平然と)「う、うむ。我々がベジグリーンとベジイエローで‥‥」
ピンク「‥‥の、ピッコロさんと悟飯君たちのお父さん!」
ピッコロ、こける。
悟空「大当たり! ってことで、お化けスイカ!」
スイカノイド「だからその言い方は‥‥」
悟空「オラの息子を返せ!」

悟空、スイカノイドに飛びかかるが、スイカノイドは地面に潜り込み、悟天を包んだ蔓だけが地表に残る。悟空、悟天の蔦を外しにかかる。
悟空「ごて‥‥うわあっっ!」
ピッコロ「悟空っ」
蔦に巻かれて急激にエネルギーを奪われた悟空をピッコロが救出。
悟空「なんだ‥‥。急にリキが‥‥」
悟飯「だめなんだ。あの蔦に触るとパワーが奪われる。餌やってるも同然です」
ビーデル「本体は地下に逃げちゃうし〜」
スイカノイド(いきなりぴょこんと顔を出す)「ふわっはっは! 私はここだここだ!」
スイカノイド、また地面にもぐる。地上に大量の触手と蔓が吹き出してくる。悟天はその中央に。
グリーン「うえ。緑の巨大イトミミズ‥‥」
イエロー「お前、なんつー気持ち悪いたとえを‥‥」
悟飯「僕も今そー思ってました」
イエロー「‥‥」

スイカノイド(地中から)「このチビでパワーアップしつつエナジーカプセルを増産してやる!」
ビーデル「もう、あったま来るわね〜〜〜!」
悟空「こんにゃろ。上からいっきにかめはめ波で!」
悟飯「悟天はどーすんです!」
悟空「だいじょぶだいじょぶ。悟天が壊れない程度にするからさ」
ピッコロ(悟空の頭をどついて)「悟天は壊れんでも、あたり一帯焼け野原になるだろうが! 少しは考えろ!」

レッド「この時代の子供達もカプセル化されてるんです。在処がわからないうちはヤツを倒せません」
ピッコロ「くそ‥‥‥‥」
ブラック「我々にやらせて下さい。あの子は絶対助けます!」
悟空「よーし。悪ぃけど、頼んでいいか?」
ピッコロ「おい、悟空」
悟空「こいつら、すげーいい匂いがするもん。オラ、信じっぞ!」
レッド「じゃあ、悟飯君のお父さん」
悟空「オラは孫悟空。悟空でいい」
レッド「オーケー、悟空さん。一つお願いが。俺が合図したらアイツの上を飛んで下さい。悟天君を少しだけ宙に上げたい」
悟空「わかった」
レッド(4人に)「さっき、話した通りでいいな」
ブラック「とにかくイエローが頼りなんだからな」
イエロー「任せろっての」
レッド「じゃ、悟空さん!」
悟空「よっしゃ!」

悟空がスイカノイドの上を飛ぶと蔦と触手がつられて延びる、悟天を包んだ蔦の塊がつられて空中に持ち上がる。
レッド「行くぜ!」
4人「ドラゴン・ディスク・アタック!!」
4人のスーツが解除されリーブ粒子が黄龍に集められる。黄龍の左右の手それぞれに金色の円盤が2枚出現する。レッドは蔦の塊に向かってダッシュ。
イエロー「いけーッ!」
イエローの手から2枚の巨大ディスクが放たれる。絶妙のコントロールで地面すれすれを飛び、スイカの蔦と触手の塊を根本から刈る。
スイカノイド(地中で)「ぎゃーっっ! 覚えてろ、サイヤ人に五色ダンゴ〜〜!」

切り取られた緑の塊がリーブエネルギーに包まれるように白熱し出す。
ビーデル「悟天君!」
緊張した面持ちの8人。金色に燃え溶ける塊の中から赤ジャンパー姿になった赤星が飛び出してくる。腕の中でぐったりしている悟天。
悟飯「悟天!」
悟空「やった! サンキューな!」(悟天を受け取る)
赤星(心配そうに)「‥‥‥大丈夫かな‥‥」
悟天(むにゃむにゃと)「‥‥お姉ちゃん‥‥おなかすいたよ。‥‥ケーキ、もっと切って‥‥」
瑠衣(ビーデルと2人で悟天を覗き込んでいる)「寝言? 寝てるだけなのかな?」
ビーデル「心配してソンしちゃったわね。まあ大抵こーなるのよ」
悟飯「僕もすっごく眠いし‥‥」
悟空「オラも腹へった‥‥」
一同大笑い。

悟飯「赤星さん、なんともないんですか?」
赤星「ああ。俺達のスーツも黄龍が投げたのも、同じ種類のエネルギーだからさ。こっちもスーツを解除すりゃ、身体の回りのエネルギーをコントロールできるんだよ」
ピッコロ「あれがお前達の"気"なのか?」
赤星「いや、そーゆーのじゃなくて‥‥」
黒羽(笑って口を挟む)「ただの科学技術ってヤツですよ。こっちが用意するのは根性ぐらいで」
ピッコロ「ん? あんたは‥‥確か‥‥」
黒羽「はい。その節はどうもお世話になりました」
悟空「へぇ! あん時の!」
輝「えー。なになに? 黒羽さん、もう二人と知り合いだったの!?」
黒羽「昨日な。本気でヤバイとこを助けて頂いたのさ」
黄龍「はー。世の中狭いねぇ」

ビーデルが悟飯の様子に気付く。悟飯、悟天の身体に残っている蔦と触手を見ている。
ビーデル「悟飯君、どうしたの?」
悟飯「うん‥‥。こっちの葉っぱの無い方は根っこだったんだね‥‥」
ビーデル「両方緑なのに?」
悟飯「断面がさ。維管束の構造が違ってる」
黄龍「いかんせん、なんだって?」
瑠衣「維管束。水とかが通る道のことよ。根と茎だと形が違うの」
赤星「ヒントになりそうだな。とにかくみんな帰って少し休まなきゃ。それから対策を考えよう」

2005/3/22

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