江戸ラゴンボール ヤム太郎江戸日記
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 その夜のことである。
「こんな相手で儲かっちゃったわい」
「さすがは江戸一の殺し屋桃白白さん」
 赤布一家の親玉は、一家の幹部黒兵衛の依頼で桃白白に殺されてしまった。
「こんな男に一家を任せていては、赤布一家はダメになってしまう…これが報酬です」
「ふむ。あなたはとても運がいい、私の『殺し屋さん20周年記念キャンペーン』中に二度も仕事を依頼されるとは」
「…………はあ……」
 そこへ突如壁を突き破って乱入した男!!
「やいっ!!」
「な、なんだ貴様は!?」
「オラ孫……じゃねえ悟空太だ!!おめえら人殺す仕事するなんてとんでもねえヤツらだな!もう謝っても許してやんねえぞ!!」
「ふっ……どう許さんと言うんだ?」
「おめえみてえなヤツはこうだ!か〜、め〜、は〜、め〜……」


 その頃。
「プー之介、もうすぐ芝居小屋だ!」
「はいヤム太郎様!」
 鶴仙雑技団を取り押さえるべく、芝居小屋に向かっていた。
「どこへ行くつもりだ」
「誰だっ!!」
 闇夜をぬって現れたのは、鶴仙雑技団の花形、天津左衛門と……
「なんでオレだけそんな名なんだ?」
 餃子丸である。
「はっ、わざわざ出てきてくれるとは行く手間が省けたぜ!」
「ほう…威勢だけは一人前だな」
「あっと言う間に白目をむかせてやる。逃げ出すなら今のうちだぜ!」
「その台詞そっくりリボンでもつけて……」
「天さん、江戸時代江戸時代!」
「かんざしでもつけて返してやるぜ!」
「行くぜ!………うっ!な、なんだ急に腹が……」
「ヤ、ヤム太郎様!」
「はーっはっはっはっは!さっきまでの元気はどうした?ずいぶん辛そうだな、すぐ楽にしてやろうか!!」
「(天さん楽しそう……)天さん、今のうちにとどめを!」
「そうか!あのチビが手から何か出してるんだな………おいチビ!3+4は何だ!?」
「え!?え〜〜〜と3…4…5…」
「スキありーーっ!!」
 情け容赦なく蹴飛ばした!
「いたたた……!」
「オイこらヤムチャーっ!!今のは本気で蹴っただろお!ちょっとこっち来い!!」
「芝居を忘れてるぞ天津飯!」
「はっ!そ、そうだった…」
「ホラホラ2人ともお芝居の続き続き……」
「そうそう、え〜とどこまで行ったっけ……あ、餃子からだろ、もう一回超能力…」
「あっそうだっけ。えい!」
「うおおおお…!!くっ、くそお……14629÷538×7分の5は!?」
「えっ!?て、天さん…」
「…………………………………気にするな!続けろ!」
「あっ、おめー分かんねえんだろ!えー?どうなんだ?」
「うっ…うるさい!!じゃあお前『清蒸比目魚菊花鶏湯爆三様』が読めるのかーっ!!」
「知るか!!てめーなんか彼女の一人もいねえクセに!!」
「なにぃ!?………ふっ、確かにそれは認めよう、だがな………」



 ほぼ同時刻。
「わ、悪かった!もう悪いことはせん!」
「そんなこと言われたって…どうしようかなあ……」
 なんと真面目に芝居を続けていた。
「ふはははははっ!ひっかかったな!!」
「ば、爆弾だっ!!」


「だが………何だ?」
「お前みたいな『男はつらいよ』みたいなのよりはマシだ!!!!」
「……………!!!!!!」
「て…天津飯さん、言ってはならないことを……」
「それはちょっと……ヒドいんじゃない?」
「本当のことだ!!」
「天津飯〜……てめえ………それを言っちゃあおしまいよ!!」
「ど、どうしましょう餃子さん……」
「とにかくボクらだけでも芝居を続けよう」
「そうですね…」


 翌朝、「亀屋」にて。
「じゃあまた悟空太くんのおかげで鶴仙雑技団と赤布一家はお縄にできたのね!」
「よかったのう」
「いやあ〜、オラはなんもしてねえさ」
「そんな…父さんのおかげですよ」
「そうだな、悟空太が踏み込んでくれなかったら鶴仙雑技団も取り逃がしてただろうしな」
 クリ五郎が悟空太の肩を叩いた。
「鶴仙雑技団に騙されてた餃子丸さんもお咎めなしだったし…」
 と、プー之介。
「餃子丸くん、よろしくね!」
 おランが頭を撫でた。
「ピッコ郎さん、シメお願いします!」
「うむ……。これにて、一件落着!」
 チョン!


「てめえ〜っ、5729507463×462874953÷97155239+……」
「黙れ!『芙蓉蟹蛋什景韮肝炒生碼糖醋…………」


                                   終幕
2001/06/24

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