愛しい人にサヨナラ
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乙女心ってフクザツ。


好かれようと一生懸命努力するのに
相手の顔に直面すると、つい突っぱねた態度をとって。



それが悔しくて涙が出るのが、解っているのにね。







始まりは、凄く単純な事。
私の料理を家族以外で「おいしい」と言ってくれた、その第一号が彼だった。
大した事でもない筈なのに、どうしてかそれ以降 私のハートは恋の奴隷(笑)
「うわっパン・・・・・・これどうしたんだい?」
この人が言おうとしていることは、大体解る。
つまりはこの、台所の惨劇についての事だろう。
「ケーキ作ろうとしたの・・・。でも私初めてだったから、
 ちょっと失敗しちゃって・・・。」
「いや、初めてとかそういう次元の問題でもな」
「・・・フフフ、なあにパパv」
「・・・・・・・・・な、何でもありません・・・。」


いじめちゃってごめんね、パパ。
でも私もうパパが一番好きな人じゃあなくなっちゃった。
彼の事しか考えられない病気になっちゃったのよ。
ケーキだって、その為に・・・。



「パン、もしかして・・・・・・好きな人とかいる・・・?」
「うん。」





どかん。
父には瞬間、核爆弾が幾つも投下された程の衝撃が奔ったと予測される。


悪いけどちょっと、それについてはツッコミを入れる余裕ががない。



「パパ・・・・・・一つ、聞いてもいい・・・?」






人を好きになりました。

その人に好かれようと、一生懸命努力しました。

でも そうして月日が流れていくうち

自分がひどく、情けなく思えてくるのは何でだろう。





「恋愛に関してね、強いって、どういう事だと思う・・・?」




『強い』の意味が分からなくても。私はきっと弱い。
だってどんなに頑張って、思い続けていたとしても
・・・・・・報われないんじゃないかって。そんな気がするから。




「強い、か。・・・パパにもよく分からないよ。」
「パパにも分からない事なんてあるんだ・・・?」
「ああ、あるよ沢山。強いっていうのにも、色々形があるだろうし。
 ・・・でもまあ、一つ挙げるなら」


「好きなことを好きだって、言葉に出して言える事じゃないかなぁ。」


「・・・言葉に出していえる事が、強いってことなの・・・?」
「うん、強いと思う。とても勇気がいることだよ。」






好きな人の目の前で、面と向かって「好きだ」と言える勇気があったら。

・・・言えるよ?私は。いくらだって。








余談ではありますが。


娘が去って部屋に一人取り残された、父は思いました。




(まさかとうとう、娘の恋愛相談を受ける日がくるなんて。)


(はあ・・・)




(父親ってフクザツ。)


2001/11/26

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