愛しい人にサヨナラ
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自慢じゃないが(うそ、自慢(笑))、俺は結構女にもてる。
顔も悪いとは思わないし、性格も女子供には紳士的だ。


ただ、例外で一つだけ この優勢を崩してしまうものがある。



それが、このお話。







「告白・・・されたんだ。」
「へぇ・・・・・・誰に〜?」
「・・・っ!それぐらい解ってるだろ!聞くなよバカ!」
知っているくせにと、青年は宛われた居場所である居間のソファに突っ伏した。
何しろこの幼なじみは、からかうとおもしろい。(失礼)
「いつ?」
「・・・3ヶ月くらい前。」
「は!?何、お前らまさか付き合ってんの!?」
この発言にはさすがの俺も言葉を失う。
人の心裏を観察するのは自分の十八番ののつもりだった。
けれどここ最近で、話題の渦中の人物であるこの男と姪っ子が仲睦まじく話していたり、
まして連れ立って歩いている姿などは想像し難い。
むしろ今の二人の関係は知り合い以前に素っ気ない印象さえ見受けられるように思えた。
「いや、付き合ってはいないんだけどさ。」
「・・・じゃあ何が問題なんだよ。」


長い沈黙。


その静けさを破ったのが、こいつのこの一言。








「予約、されてたんだ。」

「・・・・・・・・・・・・・・・はあ?」


ああ神様、これに関しての俺の言語理解力の足りなさを、あなたは叱りますか?








『 トランクス、私あなたの事が好きなの! 』

『 えっ・・・て、パンちゃん!?
  お、俺がいくつか知ってるよね・・? 』

『 知ってるわよ、28でしょ。でも私が今15歳で、
  5年経ったら20歳と33歳よ?・・それに私達サイヤ人なんだし、
  歳の差なんて関係ないわ! 』

『 でっでも・・・俺にとって悟飯さんは兄貴みたいな人だし・・。 』

『 それが何よ。 』

『 悟飯さんに殺されちゃうよ、俺! 』

『 ・・・大丈夫、パパは何とか私が黙らせるから。 』

『 ・・・・・・(唖然) 』

『 ねぇ、トランクスは私のこと、嫌いなの・・・?(上目使いに) 』

『 え!?いっいや、そんな事ないけどさ! 』

『 だったら問題ないじゃないv私、5年間でもっともっと女を磨くわ!
  ・・だからトランクス、誰のものにもならないで待っててねv 』






・・・そうしてさっさと押し切られて、現在に至るらしい。

何というか、さすがは俺の姪。

もとい、ビーデルさんの娘!

ここぞという時の腹黒っぷりは兄譲りだろうか。

(・・・と、感心している場合じゃない)


これには心底、幼なじみに同情を禁じ得なかった。




「それでずっと考えてたんだ。・・・それでも俺どうしても、
 パンちゃんを女の子としてちゃんと見てあげられないっていうか・・。
 妹みたいに思ってたし。」
いかにも思い詰めてます、といった表情から、重い溜め息が漏れる。
普段ならこの時間彼は仕事に専念している筈なのに、こんな場所までやってきたという事は、
仕事も手に付かない程に悩んでいるといったところか。
相も変わらず他にないくらいに初心な男だと、つくづく思えた。
「そうかぁ・・・パンの奴最近やけに色気づいてきたと思ったら、
 トランクスが原因ね・・。それにしても、男の趣味悪いよな〜。」
「何だよそれ!お前一体誰の味方!?」
「俺の味方」
「〜〜〜!!!!!(怒)」
せっかく真面目に相談してんのにお茶を濁すような真似すんじゃねぇよ馬鹿野郎、
と訴えかけるオーラを感じたが、この際それは無視する。(酷)


「そういやさ、俺に何か頼みがあるって言ってただろ?」

「ああ、それは・・。悟天、家庭教師やってくれる気ないか?」






波瀾万丈の物語の、これが始まりだったりする。



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