ぴりっとぱれっと
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もう、空が随分と近く感じる高さにまで昇ってきていた。
途中カプセルコーポレーションに立ち寄り、トランクスを無理矢理
引っ張ってきた状態で、現在に至っている。
「なあ、悟天・・。やっぱりやめとこう、あぶないよ・・・。」
咎めるような、けれど戸惑いがちな視線を向ける、一つ年上のこの少年。
数年前の好奇心旺盛なやんちゃ坊主だった彼の面影は消え去り、
大人びた穏やかな性質が前面に表れてきていた。
「平気だって!それにトランクス君だって『早く大人になりたい』って
 言ってたじゃないか。」

そしてもう一つ、昔と変わっていること。
それはこの計画が彼ではなく、自分によってなされた事だということだ。
だが今回は勝手が違った。
自分はどうしても、今すぐに大人になってしまう必要があったのだ。
押さえきれない願望に急き立てられるまま、ひたすらに目的地を目指していた。



静まり返った神殿に、何故か神の存在も、
ピッコロやミスター・ポポの姿さえ見あたらなかった。
そうして以前教えてもらった、内部深くの扉を開ける。
埃臭いその部屋は、何かの理由で封印された代物が                 神によって保管されている場所であった。

「・・・あった!これだ!」



『 魔女ベリー 』
(これは、遊び好きの魔女の呪いを封印したものである。
 若さを得るには二粒、成長促進には一粒服用のこと。)



「うわっ・・・うさんくさい・・。」

訝しそうに覗き込むトランクスを横目に。 一粒取り出す。


・・・飲み込んだ。

「あっ!馬鹿!!」


白い煙が全身から舞い上がり、視界が閉ざされてしまった。





「この大馬鹿者!!!」
騒ぎに駆けつけてきたピッコロに数時間に渡りお説教を受けた。
「ドラゴンボールで元に戻すことは出来ないか・・?」
「駄目です・・。東の都の疫病を抑える為に使ってしまったばかりなんです・・。」
項垂れる彼とは反対に、デンデは特に問題ないというような
素振りで、こみ上げる笑いを沈めようと努力していた。
「じゃあ悟天は四ヶ月間もこのままなんですか・・・?」
トランクスが半分泣きそうになりながら、恐る恐る問いただした。
「いえ、多分一日か二日ぐらいで元に戻ると思いますよ。」
心配ない、と付け加えて、今日のところは家に帰るように指示した。



  ××××××××××××××××


(チチ)「だ・・・・・誰だおめぇ・・・悟飯ちゃんか・・・?」
(悟飯)「お母さん・・ぼっ僕、ここに居ますよ・・・?」
(悟空)「ま・・まさか・・・悟天か・・・!?」
 

「・・・・・・・・・・・・うん・・・・・。」

(チチ、倒れる)



  ××××××××××××××××



後日談。


(ピッコロ)
「デンデ・・。どうしてあの時すぐ元に戻ると解ったんだ・・?」
(デンデ)
 「あの、実はあれ・・・。」

 「なっ・・・何だ・・・・・?」

 
 「切れてたんですよ・・・」


 「・・・・・・・・・・・・・・・・何が」



 「賞味期限・・」



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