End of Infinity
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  (嘘つき、嘘つき・・・・・・嘘つき。)




話す事ができない  と、私は彼に告げた。



もう、何ヶ月も前の事。
私たちが隠れて暮らす場所の近くに、引っ越してきた家族がいたの。
無口なようで優しいご主人と、明るくて元気いっぱいの奥さんに
小さな男の子と、女の子の赤ちゃんがいて。
男の子はちょうど、トランクスと同じくらいの歳だった。

見てて、何だか嬉しかったわ。

歳の近い子供なんて この辺りには居なかったから、あの子も嬉しかったのね。
トランクスは毎日のように、その子の家に遊びにいってた。


だけど、あの日。


これだけ世界が狭くなっても、馬鹿な連中は減らないものね。

僅かなお金を奪い取られたその家は 赤く染まった。

帰りが遅いからって心配した私が駆けつけた時には

あの子は  泣いてた。



血だらけになりながら  もう動かない『友達』を抱き


声も出さずに   泣いてたの。


(・・・私ね、このとき程何かを“憎い”って思った事ってなかったよ)




この事を話したら


君に『 ごめんなさい 』 って言われちゃった。


『 君のせいじゃないよ 』 って 私が笑った。


そしたら君も  泣きそうになって、 それでも。




「悟飯君・・・もし君が許すなら、
 ・・・あなたのことを、引き取りたいの・・・。」
お母さんのお墓の前で、泣いてる君に そう言った。
「この子もきっと、喜ぶから・・・」


ほら、また  笑う。


嘘つき、嘘つき・・・・・・嘘つき。


例えどんなに痛くても  あなたはきっと笑うのね


痛くても 痛くても  小さな拳を握りしめ


必死になって、笑うのね。



トランクスが戸惑いがちに、伸ばされた彼の手に触れる。

そして また ・・・笑った。


(微笑みが、イタイ・・・)




ねぇ


君は   いつになったら



苦しみから  逃れることが できるんだろうね。




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