End of Infinity
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あの戦いから半年間、僕の体が目覚めることはなかった。
度重なる攻防により 弱体化した抵抗力と、
何より精神的な部分が原因だったと
そう 医師から告げられた。


ああ、やっぱり。 と、


情けない自分を嘲笑いながら  ぼんやりとそれを聞いていた。



それからすぐに  母は病に冒され
僕は僕の育った場所で、彼女の看病に当たっていた。


  そうして今は  この小さな石盤の下に  眠っている。



(・・・これは、報い?)


(大切なものも守れずに  ただ怯え 隠れていた)


(僕に対する  その報い・・・?)



もう随分と血を浴びる事のない  両腕が 軋んでいた。
掻き立てられる欲望が、体に悲鳴を上げさせている。
渇ききったと思っていた両目から、痛みを伴い 滲んでくる、液体。


時は流れ   優しさを悲しみに変え


憎悪と憤怒の固まりが  この世界に生み落とされた


・・・心が、全てを  蝕んでいく。



「悟飯君・・・?」

懐かしい声に惹かれ、振り返る。

「・・・ブルマさん・・・お久しぶりです・・。」

最後に会ったのは、もう一年も前の事になる。
それでも、何年間もずっと離れていたような気がして、
ぎゅっと強く  その背中に抱きついた。
回される細い手は、同じ強さで 返してくれる。

気がつくと、母親にしがみつくようにして、自分を見上げる子供があった。

「・・トランクス、・・・元気だった?」

不思議そうに自分の顔を見つめ返す、水色の瞳。
八つ違いなら、もうじき四歳になるはずだろう。


けれど いくら待っても、その口が言葉を紡ぐ事はなかった。


「悟飯君・・・」


「その子は、しゃべらないわ・・・」





「・・・・・・え・・・?」




焼け付くような暑さも  漸く  終わりを迎えようとしていた。




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