End of Infinity
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さよならとは  言わなかった


手に入れたいとも思わなかった


けれど 手に入れてもいないのに


君が永遠に去った時   僕は泣いたよ


小さな鼓動を抱きしめながら


孤独に怯え  震えながら・・・




すぐ近くで、また爆音が聞こえる。
重い体を揺さぶり起こして、背を預けていた壁から離れた。
正直言って前回の傷が完治もせずに痕を残すこの体では、
状勢はかなりきついものだった。
・・・いや、勝敗なんて、戦う前から解りきっている事なのだ。
「悟飯君、待って!そんな体じゃ無理よ、行っちゃ駄目!!」
幾分年を重ねても、変わらずにその美しさと 強固な精神を守り通してきた
目の前の人。
そして、その腕に抱かれ、優しい寝息をたてている 幼い子供。

この魂の輝きを、失いたく ない。


「ブルマさん・・・僕、行きます。」
これは自分の義務なのだ。
我が身を傷つけ、いたぶる事に 意味を求めて そしてまた・・・


(嘘つき、嘘つき・・・・・・嘘つき。)



「また来たのか、孫悟飯。
 こっぴどく痛めつけてやったのに、懲りない奴だな。」

何も、答えず。
ただがむしゃらに、腕を振り、足を投げる。
しかしそれも大抵は宙を突き、虚空に浮かぶ。


・・・誰と。僕は誰と、戦っているんだろう・・・。

冷たく笑うこの青年と? それとも、楽しそうに眺めているあの少女?


・・・違う。 本当は 違うんだ。



「何だ、もう終わりか。つまらないな。」

「だったらさっさと殺しちゃえばいいのに。アンタも本当、物好きだよね。」

「そうでもないさ。おもしろいじゃないか。
 『仲間の復讐に燃えるたった一人の小さな戦士』ってな。」

すでに立ち上がる事もできずに、仰向けになって寝ころぶ耳を かすめる言葉。

皮肉な笑みさえ浮かべながら、共感さえ 覚えた。



(嘘つきなんだ・・・本当に。)

(戦わなくちゃいけなかった。)

(戦っていなければ、自分が壊れてしまいそうだったから。)

(戦って、戦って・・・泣くことさえ、忘れられるくらいに。)


(こんな偽善を 貴方はきっと 軽蔑してしまうでしょう)



君が永遠に去った時  僕は泣いたよ


小さな鼓動を 抱きしめながら


冷たい涙が 頬を伝って鉄の地面に滴り落ちた



苦しくて 苦しくて  ・・・それを止める術すら 思いつかなかった。




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