Precious Darling!
(1) (2) (3) (4) (5) <6> (7) (8) (9) (戻る)

輝いていた、ドラゴンボールレプリカが、ますます輝きを放つ。ピッコロの手のひらから光が次々と生まれ、こぼれていく。
「くっ…!」
「う…うああっ。」
デンデはこぼれた光の中に小さな人影を見つけた。本当に、本当に小さな人影。
こぼれた光の中からでてきたのは、サイズこそ小さいがビーデルと同じくらいの年であろう、少女だった。顔も髪の毛も、瞳もなにもかもがレインにそっくりだ。ただ、彼女の腕についている宝石や、髪の色は真珠のように光った白い色をしていた。
レインそっくりの人形サイズの少女は、ピッコロの手のひらにちょこんと座り、真珠色の瞳で彼の顔をじ〜っと眺めていた。
「驚いた。本当に、レインの言った通りネイルにそっくり…。あのこが間違えるのも、ムリないですね。」
「あ…だれだ、貴様は…?」
少女は「くす」と微笑むと、ピッコロの手のひらで立ち上がった。
「あなた方が会いたがっていたレインのママです。うふっ。クロウっていいます。」
「何!?」
「へ…?」
クロウと名乗った少女は、それだけ言うとまたピッコロの手のひらに座った。
「ばかな、レインは母親は死んだといっていたぞ。」
「そうですね…あたしは、つい最近死んじゃった。寿命で。今のあたしはコピーってところでしょうか?エネルギーのかけらを、このレプリカに入れておいたの。ちょっとだけだから、サイズがちっちゃくなったんですけど…。あの子が困った時に助けてあげようと思って。うふ。」
クロウはそういうと、いとおしそうにレプリカを抱え込んだ。
「これは…本当に、ネイルがくれたものですよ。うふふっ。あのひとのエネルギーが、ちょっとだけこめられているんです。『どこにいてもわかる』って言って、ネイルがくれたの…。うふ。」
「だ、だからレインさんはピッコロさんと同化したネイルさんの気をとらえることができたんだ…。」
「あったりー。」
クロウは、くるくると踊るように回ってはしゃいだ。反対にピッコロは、また眉間にしわを寄せて、静かに口を開いた。
「……貴様には、聞きたいことが色々ある…。貴様はどうやって、ネイルと会った?たまごから生まれるハズのナメック星人との間に、なぜレインが生まれた?」
「あ、あの…質問は、ひとつずつ。顔はネイルにそっくりなのに、性格はまるで反対なんですね…。ふふっ。最初の答えは…あたしがナメック星に不時着したから。」
「なぜだ。」
「これよ…。」
クロウは、自分の腕にはまっている石をピッコロ達にみせた。真珠のような輝きを放っており、いつかブルマが身につけていた宝石にそっくりだ。
「この、あたし達にはどうってことない石を欲しがるやつらがいるんです。うふふっ、『宇宙って広い』し、ね。」
クロウはデンデの口調をまねて、くすくすわらった。
「そんな物好きに追われていて…。なんとか振り切ったんだけど、あたし疲れちゃって。そばにあったのがナメック星だったの。…もうろうとした意識で着陸して…気がついたら、ネイルがそばにいたの。」
「助けてくれたのが、ネイルさん…?」
「そうです。他の人達も、みんなみんな…やさしかったけど。素敵な人達だったわ。」
同胞達をホメられて、デンデは思わず笑みがこぼれた。ピッコロもあまり悪い気はしない…が。今は別だ。
「二つめの答えを聞いてないな…。」
「あ、それはあたし達の繁殖力の方がナメック星人よりも、強かったから。」
ピッコロとデンデはお互い顔を見合わせた。
「…よくわからん。」
「だから…。動物だって、すぐにやられちゃう生き物はたまごをいっぱい産んだり、異種交配とか、できるじゃない?あたし達は、後者のほうなの。弱い上に、寿命もそんなにないから、ね。簡単に子どもができるってわけ。」
ピッコロは、ちょっと青ざめたデンデのかわりにクロウに聞いた。
「そ…そしたら、ネイルと簡単に子どもを作ったってわけか、お前は…?」
「あははっ。」
クロウは、声をあげて笑うとピッコロの手のひらから離れた。ドラゴンボールレプリカも一緒に連なって。
「半分合っているけど、違います。たしかに、レインにはネイルってひとがパパだって教えていたけど、ネイルのほうはあたしとの間に子どもを作ったなんて考えてもいないわ。ちょっと…あたし達の繁殖方法が、簡単すぎるから…うふふっ。そんな意識してないし、知らないだろうし…。」
クロウは、あるはずのない椅子に腰掛けるように、宙に座った。
「ちょっとだけ、ネイルとあたしとの間にあったこと…話してあげます。あ、ちょっとだけですよ。くわしく話したら、あたしがハズかしいから。うふふっ。」
クロウは、頬を自分の手で包んで体をくねらせた。
デンデは、ちょっと恐る恐るクロウのそばにかけより、ピッコロは顔を横に向けた。

2001/06/01

(1) (2) (3) (4) (5) <6> (7) (8) (9) (戻る)
background by 幻想素材館Dream Fantasy