Precious Darling!
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今日もいい天気だった。ここのところ快晴が続き、神殿の白いタイルに反射した光が自分たちに照りつける。それでも、真夏ではないので幾分、目に優しい光になっていた。
「ねえ、ピッコロさん。ここってきっと地球で一番太陽が近いところなんだね。」
悟天はそういいつつ、持ってきた麦わら帽子を頭にかぶった。見れば見るほど、髪も瞳も悟空にそっくりだ。時々、悟天は兄に連れられて遊びに来たりするが、考えてみるとひとりで来たのは今回が初めてではないか?
「トランクスくんもあとからくるって。」
「なに?!」
めずらしくイヤそうな顔をしたピッコロを、悟天は不思議そうに見つめた。ピッコロは、そんな悟天からさりげなく目をそらした。
ピッコロは、悟天もトランクスも(一応は)カワイがっているが正直言うと、うるさいのも、口がえらく達者になるのも万倍になるので、二人セットの相手をするのはちょっと苦手なのだ。愛弟子の悟飯や、後継者のデンデが素直で聞き分けがいいからなおさらに。
一度だけ、それとなく悟天たちに言ってみたことがあるのだが、「カワイイ子ほど、手間がかかるっていうじゃん。」と言われてしまった。
それをいうなら「バカな子ほどカワイイ」だが・・・。この二人は「カワイさ余って憎さ100万倍」のほうがあっている。
まあ、そんな状況を楽しんでいる自分もいるのだが。


「急にどうしたんだ?ここへ遊びにくるとは・・・?」
「星座のかんさつだって、トランクスくんが。」
ピッコロは、だだっぴろく設備もいろいろと整っているトランクスの家を思い出し、むう、とつぶやいた。
「そんなもの、あいつの家でもできそうだが・・・。」
「うん・・・。けど、トランクスくん『パパもママも急になかよくなっちゃって、オレの居場所がないんだぜ』っていってたの。」
「・・・なぜ仲良くなると、あいつの居場所がないんだ・・・?」
「わかんないよ。トランクスくんち、広いのにね。」
魔人ブウとの戦いが終わってから、以前よりはお互い(はるかに)素直になった両親たちの事を、ちょっとマセたトランクスは敏感に感じ取っているのだろう。彼なりに色々と気を使っているらしい。
恋愛感情というものがよくわかってないピッコロと、そんな感情を持つまでにはまだ時間がかかりそうな悟天には、トランクスの言葉などとうていわからないものだった。


「ねえ、かみさまどこなの?」
「デンデか?あいつは今、宮殿で勉強中だ。ジャマするなよ。」
「だってたいくつなんだもん・・・って、あれ?なに?ピッコロさん・・・?」
悟天は遙か上空に光るモノを見つけた。空の色にとけこみそうな、青い光を放っている。
「・・・あれは。」
「あーっ!わかった!ピッコロさん、あれってもしかしてUFOでしょ?!すごーい!!初めてみた!!宇宙人でしょ!!すごい、すごい!!」
悟天は初めてみる宇宙船にはしゃいでいる。
父親が宇宙人で、自分ももちろんその血を半分受け継いでいて、ついでに今目の前にいる自分・・・ナメック星人であるピッコロと、普通におしゃべりしている悟天が言うセリフではないが、まちがいなく、なにかの宇宙船だ。『船』というより、いつかベジータ達がのってきたポッドににている。
ポッドはものすごいスピードで、地面との距離をぐんぐんと縮めていく。この調子でいくと、カリン塔一帯に広がる森に着陸するようだ。
「・・・邪悪な気は感じないな・・・。」
「え?ピッコロさん、気っていうよりも、もしかして・・・。」
「ああ、死にかけてる。」
悟天はピッコロの言葉を聞くか聞かないかのうちに、神殿のタイルから足を離してポッドの方向へ一直線に飛んでいった。「かみさまを呼んでて!」とピッコロに言い残して。

2001/05/26

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