はちみつミルクにチョコレート 
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ピッコロは、パンを抱えながら大きなため息をついた。彼の吐息が前髪にかかったパンはくすぐったそうに髪を押さえて、片目をつぶった。
「なぜ、こんな時に限ってポポがいないのだ…?」
「あ、ほんとだ!!ぽぽしゃんいないよ?だいしきなのに…。」
「ぽぽのハラにぶつかるのが好きなのだろう?」
「あたい〜っ!!やあらかくってすっごくすき!!」
パンは手をぱちぱち叩いて、声を高くした。

パンは自分と話すときに笑顔を作らず、声が変に高くなることもない、このナメック星人が大好きだった。『おとうしゃん』や『おかあしゃん』と違って、一人前に見てくれるから。
彼と話しているとなんだか自分もすてきな大人になったような気がして、気持ちがよかったのだった。

「えへへ…。」
パンは、ピッコロのヒザの上に丸まって、彼のマントにくるまった。彼の体温と、柔らかい日差しが自分の体に伝わる。
「あったかあいっ!」
「おい、いいかげん離れろ。」
「やら。」
「いいかげんにしろ。」
「いーやらっ!」
「コラ!」
ピッコロが大声をあげると、パンは急にびくんっと体を硬直させた。そのまま下に視線を落として、肩をふるわせた。ひっく…ひっく…とすすり泣く声が、彼の耳に入ってきた。
「ええ〜んっ!!!ぴっこおさんが、おこったあああーんん!!ひーん!!」
「なっ、こら、静かにしろ!!」
「うわーん!!」

悟飯も修行させる前は今の彼女と負けず劣らず泣きわめいたが、パンは『泣くなっ!』といえば、さらに泣くかもしれない…。
しかも、今は自分と同じくらい耳がいいデンデもいるのだ。
この泣き声もきっちり聞き取れているに違いない。
自分のいない所で、何を言われているかわかったものではない。

「わ、わかった…。かまわん。離れんでいい。」
「ホント?」
ピッコロの言葉が合図だったかのように、パンの涙がコロっと止まった。
彼女は急にうきうきした顔になりマントで涙と鼻水を拭くと、ピッコロの首に腕をまわした。
「うれしいなっ♪」
「…お前な。」
「ねえ、ないかしてあしょぼうよ!」


書庫で大量の本と格闘中の悟飯は、急にうずくまったデンデを心配して、彼の方に駆けて来た。
「で、デンデ、どうしたの?おなか痛いの?」
「い、いえ…。パンちゃんの方がピッコロさんよりも、3枚くらい上手ですよ…クスクス。」
「はあ?」
デンデはくすくす笑って、優秀な聴力を自ら抑制した。
コレ以上、聞いているとプライバシーの侵害になっちゃいますからね…。

「あと2時間…、ピッコロさんてば大丈夫かな?パンて結構ワガママだから…。」
「大丈夫ですよ、経験豊富でしょ?」
「…そうだね!……まあいっか。」

2001/07/31

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