セレブレーション 1
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神殿の一室で、デンデはゴキゲンで頭に巻くターバンを選んでいた。片抜き染めの美しい布を手にとって、まだ目移りする気持ちをちょっとだけ押さえて、今度はそれにつける羽飾りを選び始めた。
「やっぱり、ボクもターバン…巻いていったほうがいいですよね?事情を知っている人達ばかりが来るわけじゃないですし!ブルマさん達も、『ちょっとオシャレしてきなさいよ』って言ってましたし…。どれにしようかなあ、あ、これも素敵だなあ。」
デンデはふわふわのピンク色をした羽飾りを手にとって鏡の前に立つと、鏡に不機嫌な顔をしたピッコロが移っているのがわかった。
いや、彼はいつも不機嫌な顔をしているが、今日はそれに輪をかけて機嫌が悪そうだ。子どもがいたら泣き出してしまうかもしれない。いや、大人でも泣くかも…。

そう、明日は彼が大事に大事に、(もしかしたら父親の悟空よりも)大事にしている愛弟子の悟飯の結婚式なのだ。相手はもちろん、ビーデルだ。
デンデは、彼らのことがとてもスキだった。ふたりとも優しいし、とても素敵な人達だったから。
大スキな人達が幸せになってくれれば、言うことはなにもない。

「ピッコロさん…。もしかして、明日もそのマントで行くんですか…?」
「……ほっとけ。」
一応返事はかえってきたが、不機嫌であることにかわりはない。
いつか、悟飯さんに過保護なチチさんのことを、すごくバカにしていたけど…。ピッコロさんだってチチさんとイイ勝負だと思うけどなあ…。
「なんだと?」
「いいえ…なんでも。」
デンデは、鏡に不機嫌なピッコロの顔をうつしたまま、羽飾りを頭に上手につけた。
なかなかいい。
彼は満足げに、今度は着ていく服を選ぼうとした時にミスター・ポポが部屋に入ってきた。
「どうしたんですか?ポポさん?」
「神様、ピッコロ、お客さんだ。」
普段は無表情なポポが嬉しそうに答えた。
「お客さん…?」
「花嫁さんだぞ。」
「…………何?」

デンデはピッコロの目がぎらり…と一瞬だけだが光ったのがわかった。
それと同時に自分の背中にイヤな汗が垂れるのがわかった。

ま、まずいですよ、ビーデルさん…。
どうして今日に限って、一人で来たんですか…?

彼はこれからピッコロとビーデルの間で起こりうる修羅場の想像を、リアルにしてしまい、自然と瞳が潤んだ。


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