○私的 衝撃の事件 :
  その1 人命救助
  その2 某駅のホームで
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その1 人命救助
このサイトのトップページの写真は、上高地で撮影したものです。もう10年ぐらい前のものですけど、とっても気に入ってるんです。未だに夫と、この写真は自分が撮ったと言い合いのネタです(笑)。
さて、この小旅行の時、私達はちょっとした事件に出逢いました。

上高地にお昼頃に到着してホテルにチェックインし、梓川の川縁をぶらぶらと二人で写真を撮りながら散策。切れたフィルムを夫が交換している間、私は川縁で風景を見ていました。
そこに70歳代中頃ぐらいの女性が、川でタオルを浸そうと川縁に近づいてきたのです。「うそ、一人?」と思って後ろを見ると、娘と思われる50歳ぐらいの女性が、ツアーコンダクターらしき人と何か話していました。ああ、と思って視線を戻した時、傾斜した川縁で自分の重心を支えきれずに、女性が前のめりに川に落ちたのです。

川は底が見えるぐらい浅い。立ち上がれば膝上ぐらいの深さです。私は「早く起きてっ 頭上げないと窒息しちゃうよ!」「中央の方に行ったら深くなっちゃう!」と考えたことをはっきり覚えています。でも女性はたぶんショックだったんでしょう。うつぶせのまま、もがきもしなければ起き上がってもこない。そのまま本当に静かに川の中央の方に流れて行きそうになります。
こう書くと、えらく長いことそれを見ていたような感じですが、実はほんの一瞬だったんです。私は女性が落ちた時の水音も覚えていません。緊急時に音が消えて頭の回転が速くなる‥‥というのを身をもって体験した瞬間でした。

そして次に私が聞いた音は、自分が川に踏み込んで女性の上半身を引き上げた時の水音でした。とにかく顔を上げさせないと、とそれだけ考えてました。主人は落ちた時の水音で気付き、カメラを地面に置いて振り返った時は、もう私が川に入っていたのですぐ来てくれて、二人で女性を川の外にひっぱりあげました。

大変幸いなことに、女性は本当にショックだったようで、逆にヘンなふうに水を吸い込んだりしてなかったんですね。あとは娘さんとツアーコンダクターにお任せして、お役ご免となりました。
とはいえ、私は足の付け根あたりまで、主人も膝上までびしょぬれです。しばらく陽射しの強い河原で濡れたジーンズのまま伸びてたんですが、結局ホテルに戻りました。色々乾かさなきゃと思ったんですが、シャワー浴びてちょっと横になったら、私はぐっすり眠りこけちゃったんですね。気付いたらもう夕方で、夫が私のスニーカーをドライヤーで一生懸命乾かしてるところでした。

あとでホテルの人とその話をした時「朝早くだったら川の水が冷たくて心臓麻痺を起こされていたかもしれませんね」と言われたのが印象的でした。そう、確かにここは高原。昼間でも水はけっこう冷たかったんです。
いや、なかなかの体験でした。トップ写真にはそんな思い出があったりします。
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2002/4/29 先頭へ

その2 某駅のホームで

よく駅で「電車とホームの間が広く空いておりますので、お気を付け下さい」というアナウンスを聞くことがありますね。「落ちないように」という一言が入ってる駅もあります。で、そんなアナウンスを聞く度に、こんなところに落ちるヤツなんぞ居るかい‥‥とずーっと思っておりました。そうしたら、いたんですね、そーゆーバカが‥‥。

夫と電車を待ってまして、来た電車に乗ろうとした時です。ちょうどホームがカーブしていて、確かに電車とホームの間は開いていたんですが。
先に電車に乗った夫、ふと振り返ると、なんと、私が、いない。
ただホームにコロンと私のショルダーバックが転がっていました。まさに煙に包まれた夫。電車の乗客は「人が落ちた!」と騒ぎだしています。

で、私はその頃、電車の下でパニックしてました。自分は確かに電車に乗ったはずです。なのにこの電車、えらく暗い! 真っ暗です! その上、床が砂利‥‥。いったいどーゆー電車だっ! なぜ自分はこんなヘンな電車の床に座ってるんだああっ‥‥

あまりにストンと落ちたので、完全に自分を見失ってます。で、しばらくきょろきょろしてから上見たら、ホームと電車の間から光が‥‥。おおっ 光だっ‥‥とマヌケに感動しつつ、どうも自分が落ちたらしいということがわかりました。

で、立ち上がりました。電車とホームの間からひょこたんと頭を出して‥‥。
ホームの高さはだいたい胸ぐらいの位置(私は150cmしか身長がないので)。よじ登ろうとしたんですがホームって安全の為に内側にへこんでますよね。だから足を掛けるところがなくて無理。で、夫曰く「じっとしてろ。動くなよ」 で、私を大根よろしく引き抜いてくれました。

持ち上げられながら、無責任にもすごい力だなぁとか思ってました。私の脇の下に手を入れて(既にホームすれすれの位置)、頭の位置がダンナと同じぐらいになるまで持ち上げましたから。ほとんど子供持ち上げるのと同じです。夫はけっしてスポーツマンタイプじゃないので、火事場の馬鹿力入ってたと思いますね。

スムースに救出されたため、電車を止めたのは短時間で済み、おかげで怒られませんでした。その電車には乗りませんでしたけど、なんか中で「あーゆーヤツいるんだ‥‥」って話題になってるだろうなと思ったら、恥ずかしかったです。
でも考えてみると、むちゃくちゃラッキーでしたね。向こう脛を少しぶつけてたぐらいで、どこもケガしてなかったんですよ。後日人から、そのパターンだと頬骨を骨折するケースとか、よくあるよと言われて、青ざめましたけど。

その後、夫と電車待ってる時、例のアナウンスが流れる度に言われます。「そんなヤツ見た時ねーと思ってたけど、いたよ、ここに‥‥」‥‥‥‥うるさいなぁ‥‥。

2002/4/29 先頭へ